【TOS×大分合同新聞 連携取材②】佐藤県政1年 賃上げをどう実現? 大分
佐藤県政の現状や課題についてTOSと大分合同新聞がお伝えしている連携企画。
今回は「賃上げ」をテーマにお伝えします。
ーー佐藤知事
「大部分の県の経済は中小企業に支えられていますから、中小企業で賃上げがしっかり進んで、特にそこで働く方々が将来に明るい希望が持てると」
物価高やエネルギー価格の高騰が続く中、人々の生活を支えるために必要不可欠なのが賃上げです。
ただ、中小企業にとって賃上げは難しいという現実があります。
こうした中、4月から全従業員の賃上げに踏み切ったのが大分バスです。
平均で3.21%の賃上げを行いました。
ーー大分バス・平川厚志執行役員「バス事業そのものは決して楽観視できるものではないというところは従来から続いています。そうした中でも、人材確保を図る必要がありますので今回ベースアップを行いました」
大分バスは3月、30年ぶりとなる運賃改定を行いました。大分市内では最大100円の値上げとなっています。
値上げの背景のひとつにはエネルギー価格の高騰があります。
ーー大分バス・平川厚志執行役員
「軽油の価格が1円上がりますと当社の場合、(年間で)200万から300万程度の価格高騰になります」
そして値上げ分で賃金を上げて人材の確保も目指しています。
運転手の慢性的な不足は業界の大きな課題となっていて、大分バスでは現在の路線を今後維持していくためには新たに10数人の運転手の確保が必要だということです。
ーー大分バス・平川厚志執行役員
「これまでも人員の確保には苦労していたが、他の業界も含めて人材の獲得競争が激しくなっている」
賃上げは市民の移動手段。地域の公共交通を維持することにも繋がってきます。
ーー佐藤知事
「大企業の方はかなり今年の春闘は昨年よりもさらに賃上げが行われるということは伺っておりますけれども、何とか中小企業の方にもそれが波及していっていただけるとありがたいなと思います」
ーーTOS梅田雄一郎記者
大分を支える人の生活を守るため、そして、これからの大分を担う人材を確保するためにも適切な賃上げを行える環境を整えることが重要です。
中小企業の賃上げについては官民一体でそれを後押しする動きもあります。
国や大分県そして経済団体や連合大分など官民13者は、仕入れ価格の高騰分を下請けが適正に価格転嫁できるよう、企業に働きかける協定を去年締結しましたが3月までだった期限を来年3月までに延長しました。
さらに大分県は、人手不足に悩む中小企業が業務の省力化につながるロボットやITツールなどを導入する際に支給している支援金について、あらたに「賃上げ枠」としてその名のとおり賃上げを行った企業への補助金を引き上げることにしています。
こうした中小企業の賃上げを後押しする動きが今後も重要になってきます。