長男の要求に応え犯行はエスカレート9億円余を横領の「ヤマウラ」元社員の男に「懲役10年」の実刑判決
駒ケ根市の建設会社「ヤマウラ」を巡る巨額横領事件であわせて9億円余りを横領した罪に問われた元社員の男に対し、長野地裁伊那支部は13日、「懲役10年」の実刑判決を言い渡しました。
業務上横領の罪に問われたのはヤマウラの元社員の村田浩幸被告・64歳です。
起訴状などによりますと、村田浩幸被告は2020年12月からおととし4月にかけて8回にわたり、自身が経理責任者を務めていた子会社のヤマウラ企画開発の預金口座から長男の俊樹被告が代表を務める会社などに合わせて9億円余りを振り込み、横領したとされています。
犯行のきっかけは高額な接待などで生活に困窮した長男の俊樹被告が父親の浩幸被告に金の工面を要求したことでした。
当初は俊樹被告の個人口座などに不正に金を振り込んでいましたが犯行はエスカレート。
俊樹被告が代表を務める会社に対して、浩幸被告があわせて9億円余りを不正に振り込み横領していました。
13日の裁判で長野地裁伊那支部の五味亮一裁判官は「長男の要求に応じ、経理責任者という地位を利用して長男に不当な利益を得させた」と指摘。
「強い非難が妥当」などとして、懲役13年の求刑に対し「懲役10年」の実刑判決を言い渡しました。
この事件を巡っては2月、長男の俊樹被告に「懲役7年」の実刑判決が言い渡されています。