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【特集】記録的な暖冬 一体何が… 御神渡りも見られず コハクチョウも少なく ワカサギ釣りもできず…気象予報士が解説【長野】

特集です。 2月もあすで終わりですが、この冬は記録的な暖冬といわれています。その影響は私たちの身の回りでも感じられました。この冬を振り返って見えてくることとは…。 2月4日の立春。御神渡りの観察最終日です。 湖面は波立ち、今シーズンは一度も全面結氷することがないまま、御神渡りのない「明けの海」が宣言されました。 八剣神社 宮坂清宮司 「温暖化が叫ばれていますけども ずっとこの様子を見ていくと、 諏訪湖の氷が自然のメッセージ であるかな、そんなことを感じ ました」 ■コハクチョウ北紀行■ 暦の上では雪が雨に変わる頃を指す雨水。大空に向かって次々とコハクチョウが飛び立ちました。 今シーズン飛来したコハクチョウは255羽。過去30年で最も少ない数でした。 暖冬の影響で雪が少なく信州より北でも十分な餌が確保できたためとみられています。 ■2月5日の大雪■ 2月5日。信州で「カミ雪」と呼ばれる中南部だけでなく、北部の長野や飯山でもこの冬一番の大雪が……。交通機関は大きく乱れました。 極端な暖かさ。そして極端な雪。この冬を振り返ると見えてくることは。 ①暖冬の要因・・それは地球温暖化に加え、信州から遠く離れた南の海上の海水温に起因しています。日本付近は、昨年春からエルニーニョ現象が続いていますが、 この冬は、規模の大きい「スーパーエルニーニョ」と呼ばれる状況となっていました。 ②こうなると、上空を流れる強い風・偏西風が、日本付近では平年より、北に偏って蛇行する大気の流れとなります。日本付近で北に盛り上がっているということは、寒気が日本に流れ込みにくい環境にあったことを示しています。 【冬の平均気温】2月25日までの90日間の平均気温を平年と比べてみると、全国的にオレンジや赤に。オレンジは平年より1度以上高く、赤は、平年より1.5度以上高い所を示しています。 そして、暖冬の年特有で、日によって寒暖差が大きく、また、急に湿った大雪になったり。天気も気温も変化が極端でした。 ■寒天製造■ 強い冷え込みとカラッとした冬晴れ。信州の自然条件を生かした寒天づくりです。 しかし・・・ 五味喜一商店 五味昌彦専務 「大変だったね。大変だった。お空に文句はいえないんだけど」 2月20日。寒天置き場を訪ねてみるともう片付け作業が行われていました。 通常は70日ほど操業しますが今シーズンはわずか46日。生産量は平年の6割から7割程度にとどまりました。 五味喜一商店 五味昌彦専務 「寒さの量が少ないものだから、 基本的に。そうするとその寒さ を生かすために手間を人手をか けなきゃいけないんですよ。積 んだり広げたり。要するに寒さ をできるだけ逃さないようにす るとか受けるようにするとか」 今後も同じような冬が続いたら寒天作りはどうすればいいのか。不安は募ります。 ■霊仙寺湖のワカサギ■ 飯綱東高原観光開発山崎光一郎さん 「絶望的ですね」 標高およそ840メートル。上水内郡飯綱町の霊仙寺湖。 いつもの年なら・・・ 釣り人「これはやばい!やったー楽しいです」 色とりどりのテントが立ち並び釣り糸を垂らします。しかし今年はこうした光景が広がることは一度もありませんでした。 それは霊仙寺湖特有の事情もあります。 飯綱東高原観光開発 山崎光一郎さん 「ここは特にがつっと冷えるとこ ろではないので、ある程度雪と 湖の水としっかりくっつけて厚 さを増して硬くさせていく」 グラウンド整備などに使用されるローラーを使って圧雪することで氷の厚みを増していきますが今シーズンは氷が薄かったため、この作業ができたのは1、2回だけ……。 飯綱東高原観光開発 山崎光一郎さん 「なんとか少ない雪でも少ない冷 えでも、1日でも2日でも、で きるように私どももやっていき たいと思っています」 ■解説■【積雪と降雪】 ①飯山の毎日の積雪は、平年、2月上旬から中旬にかけてが積雪のピークで、1メートルをこえますが、②ことしは、12月下旬(12月22日、23日)に平年を少し上回ったほかは、平年を大きく下回り、圧倒的に積雪が少なかったことがわかります。また、降った雪を合計してみても、平年の4割前後にとどまりました。 【将来予測】このまま地球温暖化が進んだら、信州の雪はどうなるのか?一年で最も深い積雪(年最深積雪)を今の気候に対して、産業革命前に比べ2℃上昇する場合、4℃上昇すると想定すると未来気候は気温の上昇に伴い、県内は全域的に減少すると予測されています。 ということは、暖冬が、さらに進んだり、発生頻度が多くなる可能性も出てきます。信州も地球温暖化への適応策を真剣に考える時期に来ているのかもしれません。 ■治部坂高原スキー場■ 支配人「なんかもう氷みたいな感じですね」 下伊那郡阿智村の治部坂高原スキー場。2月21日。むき出しの地面が見えていました。ゲレンデコンディションを保つことができずやむを得ず休業。 ある限りの雪をかき集めてゲレンデの整備を続け、3連休はコース1本だけどうにか稼働させました。 谷坂和久支配人 「(経営的には)かなり厳しいで すね。コロナが始まってから少 しお客さんの入りが減ってきた ところでやっと戻るかなという ところでこの暖冬という事で、(今年度は)昨年対比+10% くらいは考えていたんですが、 ちょっとこの様子だと昨年を下 回るような結果になるのかなと 覚悟しています」 県は去年6月の補正予算で、最新のスノーマシン導入費用など2億400万円余をスキー場78事業者などに補助しています。 県観光部によると暖冬の影響に対する事業者からの相談はまだ寄せられていないということですがこまめに声を拾っていきたいとしています。 八剣神社 宮坂清宮司 「氷割る 斧の音こそ 誇りなり寒の朝に 波を見るとは」 氷を割る音は地域の誇り。将来までつないでいくことができるのか? 冬の異変はその問いに対する地球からのメッセージなのかもしれません。

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