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【注目】電気を使わない「自動ドア」 テコの原理使った「荷重式」 脱炭素の取り組みとしても全国で導入進む 岩手県奥州市

2024年8月22日 17:54
【注目】電気を使わない「自動ドア」 テコの原理使った「荷重式」 脱炭素の取り組みとしても全国で導入進む 岩手県奥州市

 皆さんも街のいたるところで、電動式の自動ドアを使う機会が多いと思います。

 この中、岩手県奥州市の葬祭会館では、電気を使わない自動ドアが設置されていると聞き、ことし、自動ドアで少し苦労した経験があるという北上支局の熊谷記者が取材しました。

 熊谷康亮記者
「こちらが電気を使わない荷重式自動ドア『ニュートン』です。床にある踏み板に人が乗ると、テコの原理でドアが開くという仕組みです」

 岩手県奥州市江刺の葬祭会館・久遠ホールです。

 こちらでは去年10月、正面玄関の扉を手動の開き戸から「荷重式の自動ドア」に更新しました。

 熊谷記者
「実は私、今年の4月にケガをしまして、しばらく松葉づえで生活していました。その時に外出先で意外と苦労したのが自動ドアの出入りだったんです」

 慣れない松葉杖をついていると、ボタンを押すのが難しかったり…、自動ドアが閉まるタイミングを計りかねたり…。

 荷重式自動ドアであれば、踏み板に荷重がかかっている間はドアが開きっぱなしになるので、安心して通ることができます。

 江刺葬儀社 後藤茂 代表取締役
「電気を使わないということで、SDGsのことも考えたし、電動式だと勝手に反応して開閉することがあるので、(『荷重式自動ドア」を)使ってみて、やっぱり安全で挟まれることはないのかなという感じ」

 製造する東京都の「Newtonプラス」によりますと、荷重式自動ドアを新規に設置する場合の費用は一般的な電動式自動ドアと比べてほぼ変わらない一方、耐用年数はおよそ1.5倍となる15年を見込んでいて、その間の主な維持コストは消耗品の交換など、およそ36万円と試算されています。

 こういったことから、災害時の停電対策として、福島県いわき市が2016年2月、市内の津波避難ビルなど3つの施設に設置したのを最初に、脱炭素の取り組みとしても全国各地の施設で導入が進んでいるということです。

 熊谷記者
「電動式か荷重式かは、それぞれ長所があるので、設置する場所や用途に合わせて選ぶのがよいそうです」