違法薬物の売買や「闇バイト」の書き込みを発見し通報 山形県警がサイバーパトローラーに感謝状
インターネット上で犯罪につながる可能性のある情報を見つけ通報する「サイバーパトローラー」の活動に貢献したとして山形県警察は4日、山形市の専門学校生に感謝状を贈りました。県内でもネットから犯罪につながるケースが多発していて、警察は注意を呼びかけています。
「サイバーパトローラー」は、インターネットやSNSで詐欺や犯罪につながる情報を見つけた場合に警察に通報するボランティアです。県警察は、積極的に違法な情報を発見・通報して活動に貢献したとして山形市の大原スポーツ公務員専門学校1年の庄子寛晃さんと佐藤翔悟さんに感謝状を贈りました。
2人は、去年7月にサイバーパトローラーを委嘱されX(旧Twitter)などのSNSを授業のすきま時間などを使ってパトロールしました。
庄子さんは国内での違法薬物の売買などに関する書き込みを中心に探し、1月末までに98件見つけ、通報しました。
大原スポーツ公務員専門学校庄子寛晃さん「乾燥大麻です。こういう風に写真を載せている人もいますね。大麻の合同プレゼント企画をやっているところも…。大麻はアメリカで一部解禁されていたり、タイで医療用が解禁されたりで他の国で解禁されているからということで心理的なハードルが低くなっている」
一方、佐藤さんは特殊詐欺の受け子や強盗の実行犯を担わせる「闇バイト」の募集などを中心に探し、44件通報したということです。
闇バイトを募集するアカウントの特徴はー。
大原スポーツ公務員専門学校佐藤翔悟さん「同じ文章をいっぱい送っているイメージ。絶対にヒットする文ではなく、たくさん送ることで色んな人の目に付きやすいようにしている。同じような内容で同じようなアイコンで送っていた。お金であったり簡単だという言葉だったりで騙されないようにしてほしいと思った」
県警によりますと、サイバーパトローラーは今年度、県内の大学生や専門学生あわせて196人が活動していて、ことし1月までにネット犯罪に関する通報が260件寄せられたということです。
県警によりますと、SNSを悪用した犯罪は増加傾向にあります。去年、県内で確認されたSNSを使った詐欺被害は合わせて42件、4億2400万円余りに上っていて、被害件数は前の年の3倍以上になっています。
こちらはYBCの記者の携帯電話に届いたショートメールです。去年12月から2月にかけて3件届き、どのメールにも「急騰株の情報を教える」といった内容と、インターネットのサイトのアドレスが書かれています。
県警のサイバー犯罪対策課によりますと、こういった「あなたにだけ儲かる情報を特別に教える」といったメールは詐欺の典型的な”入口”だといいます。
流れとしてはLINEなどの通信アプリでグループトークに誘導し、投資で儲かった情報や株価のチャート表などを見せて投資を持ちかけてきます。このグループトークには、「投資を指導してほしい」「先生のアドバイスで利益が得られた」といった投稿をする「サクラ」もいるといいます。
こうしたグループトークで「みんなが参加している」「みんながやっている」と思わせることで、信用してしまう人も多いということです。
こうした中、4日は、寒河江市の40代の女性がSNSを使った投資詐欺でおよそ760万円の被害に遭っていたことが明らかになりました。
県警の担当者は、犯罪につながる恐れがある怪しい投稿や詐欺が疑われるメールは無視するか、不安を感じたら最寄りの警察に相談してほしいと呼びかけています。