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【一問一答】「“へなちょこ”ばかりが出ている」田中真紀子氏が総裁選をぶった斬る!進次郎氏は「なってもらっては困る」忖度なしの大胆提言、全て見せます!

2024年9月16日 8:00
【一問一答】「“へなちょこ”ばかりが出ている」田中真紀子氏が総裁選をぶった斬る!進次郎氏は「なってもらっては困る」忖度なしの大胆提言、全て見せます!
田中真紀子氏に聞く『自民党総裁選2024』

 候補者が乱立する『自民党総裁選2024』。田中角栄元首相の長女で、女性初の外務大臣を務めた田中真紀子氏が、今回の総裁選をぶった斬ります。

■「内閣総理大臣が何かということがわかっていない」候補者乱立の総裁選に、田中真紀子氏が思うこと

―――候補者が乱立する今回の総裁選を、どう見られていますか?


 候補者の方が次から次にたくさん出ていらっしゃいますが、今の私の立場から見るとなんか勘違いしているというか、「“へなちょこ”ばかりが出たいから出てきている」「売名も兼ねて出なきゃ」と、そんな感じがします。一般の人たちは白けていますよ。

 私は、父の姿や池田(勇人)元首相・佐藤(栄作)元首相をよく見ていました。一国の総理大臣とは非常に孤独で、ものすごく厳しい仕事です。

 今の候補者の中に、明日から日本の顔として世界の檜舞台に出て行って、通じる人がいますか?個人的には1名いますが、後の方たちは使いものにならない。『なりたい』『なってみたい』と、それはわかりますが、そんなことでちょっと出るようなポストではありません。

 内閣総理大臣が何かということが、何にもわかっていない。恐るべきことです。

■「良いことをやる、と言うのは誰でもできる」候補者らを“へなちょこ”と言い切るワケ

―――次期アメリカ大統領が誰になるかはわかりませんが、一国の総理大臣として、世界のすごい面々と喧嘩腰でやらなければいけないこともあるでしょうね?


 喧嘩するとメディアに叩かれる宿命がありますので、それにも耐えなければいけません。

 私は、政治家というものは、志した時から経綸(けいりん)がないといけないと思います。経綸とは、「国を治めて、国民をしっかり指導する」「責任を取る」ということです。

 政治とは、基本的に『受益と負担』といわれます。受益は「こうします」「こうなります」ということですが、同時に負担なんです。政治はトリックでも手品でもないから、このような負担を国民の方にしていただかなければいけません。

 一番わかりやすいのは、財政再建の問題です。あとは、憲法・女性天皇・原発・日本のエネルギー政策。また、プーチン大統領やウクライナの大統領に自分の立場で何を言って、世界に平和をもたらすのかといった外交のこと。

 そういう負担について、語っている人がいないじゃないですか。良いことをやります、と言うのは誰でもできます。

 今は本当に一主婦・一市民として、与野党や外交も含め冷静に政治を見ていますけど、あまりにも魅力がないです。先ほど言った『経綸』という面においてです。

 また、今はSNSの発達によって、世界中で同じ情報が瞬時に駆け巡ります。こんなことは、私が議員をやっていた当時は、なかったです。こんな時代だから、政治以外においてもですが、じっくり情勢を分析したり文書にしたりして考えてから発信するのではなく、すぐに反応することが求められます。

 そのことが物事を合理的ではない判断に導きやすく、フェイクニュースも流れるし、サイバー攻撃もあります。同時に、気候変動・洪水・森林火災があったりして、世界に食料危機が起こってきます。

 その中で、日本の政治(外交・財政・社会保障・教育など)について懊悩(おうのう)して、そして「自分の責任で、こういう負担を国民の方にやっていただきます」と語れるのかが重要です。

 年金問題だって、非正規雇用や自営業の方は非常に不安を持っておられます。「バラ色にします」なんてことばかり言っているから、私みたいなおばさんに“へなちょこ”なんて言われちゃうんですよ。

■真紀子氏が思う「リーダーに欠けてはいけない素質」とは

―――内閣総理大臣に欠けてはいけない資質を教えてください。


 欠けてはいけない資質は、やはり「責任を取る」ことです。

 ちょっと話は変わりますが、なぜ兵庫県知事は辞めないんですか。県政は停滞し、そのことに対して税金を頂いていて、お気の毒なことに自殺者も出られたわけですから、重箱の隅をつつくようなことを言わなくていいので、まず身を引いて、正しいと思うなら、もう一度打って出たらいいじゃないですか。

 今の政界でも、それをせずにグズグズやっていると思います。本当に自分で責任を取る・辞めることができる人は、今回の顔ぶれにはいないんじゃないですか。

■「エレベーターに閉じ込められちゃった人」田中真紀子氏が推す唯一の候補者

―――真紀子さんが「この人だったら…」と思う人は、いますか?


 1人います。名前を言っていいんですか?


―――いや、名前は…。


 この間、エレベーターに閉じ込められちゃった人(笑)エレベーターの電源を切ったのは岸田さんじゃないか、と言われるぐらい(笑)


―――最近エレベーターに約30分閉じ込められたという、あの方ですか…。


 あの方は賢いし、経験もあります。個人的によく存じ上げていますけど、ご家庭も安定していて、育ちも良いし、賢い。また、自民党の中でいじめ抜かれて、河村建夫さんや安倍さんや福田さんにぐうぐうぐうぐう押されて、ここまで耐えてきていますから。

■進次郎氏は「現実がわかっていない」 “お調子者”小泉親子に思うこと―

―――真紀子さんが外務大臣になられた時は、いよいよドリームチームができたと思いましたが、キレイに分かれられましたね。


 あの首相(小泉元首相)はお調子者で、本当に調子に乗っちゃって、「自民党をぶっ壊す」なんて言わなくてもいいこと言っちゃって。でも、壊していないじゃないですか。それで、また似たような息子が出てきたでしょう。これも怪しいね。

―――小泉元首相の息子・進次郎氏は、43歳で初挑戦。「選択夫婦別姓の導入」「“年収の壁”撤廃」「解雇規制の見直し」「ライドシェア」「政策活動費」などを1年でやると言っていますが、どう思われますか?


 個人的には、この方になってもらっては困ります。できるわけないじゃないですか。「ライドシェア」ぐらいはできるかもしれないけど、現実がわかっていないんですよ。この方は、皆さんの声をしっかり聞いて、勉強しておられない。この方に限らず、他も似たり寄ったりです。

■女性首相誕生の可能性も、「性別は関係ない。5.4%の議員からも推されないのはお粗末」と一蹴

―――初の女性首相が誕生するのではないかといわれていますが、どう思われますか?


 私は、女性とか何とかは全然関係なくて、雌雄(しゆう)関係ないと思っています。

 また、20人の推薦人といいますが、自民党は衆参で369人ぐらいいて、その中の20人といえば100%のうち5.4%です。それっぽっちの人から推されないような人たちが「やりたい」と言うのは、どうかと思います。


―――20人すら集められずに四苦八苦している人はダメ、ということですか?


 集められないというか、皆から推されないと。40~50人から。お粗末です。

―――立憲の代表戦については、どう考えますか?


 また古い顔ばかり出てきていますね。

 新しい人は、当選1回。1年生が代表を務められますか?民間企業で、新入社員が「俺、社長になる」と言ったら「はい」と言うんですか?「はい」と言われたのは、女性だからじゃないですか?

 その証拠に、江田憲司さんが「自分のほうが党内で票があったけど、女性とバランスを取るという党是からして女性候補がいなければいけないから、僕は譲ります」と言って、握手しておられました。

 女性だからといって、甘えてはダメですよ。1年生は無理、男でも女でも無理。

■「金権政治」といわれた田中角栄元首相 娘・真紀子氏が語る「政治とカネ」問題

―――今回、岸田首相が総裁選に出なかった大きな要因として、自民党の「政治とカネ」の問題がありました。真紀子さんのお父様・田中角栄氏は「金権政治」といわれていましたが、今の「政治とカネ」の問題をどのように解釈されているのか、お聞かせいただけますか?


 当時は、「三角大福中(三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫・中曽根康弘)」などといわれていました。三角大福中の時代だと、自分に投票してもらうために、どの候補もお金を配って「選挙応援」とか「ポストに」とか、そういう取引が絶対あったと思います。

 そして最後は、「角福」でした。今と違って角福は大変違っていて、福田さんは「緊縮財政」・父は「積極財政」、福田さんは「台湾派」・父は「中国派」で、外交も内政も、政策が全く違っていました。どちらも、長いこと大蔵大臣をやり、幹事長をやって、要職があって、「戦後の日本をどうしたいか」という天下国家論があったんです。

 そこで二人で決選投票をして、うちの父が勝ったら、福田さんがおっしゃったのが、「角さんは金で勝った。あいつは金権だ」と。そしたら、マスコミやおバカさんたちが「そうだ、そうだ」って。

 でも、ご自身は配ってないんですか?福田さんから貰ったと言っている人、いっぱいいますよ?負けた人が、負け惜しみでそういうことを言います。皆、やっているんですよ。

 今もそれをやりたいけど、それが出てこないから、なかなか「私は誰を推します」と言わない、ずるっこいのがいっぱいいるんです。

■「これで刷新なんかされますか?」初の“派閥なき”選挙も、真紀子氏が聞いた裏話とは―

―――今回は、麻生派以外は事実上派閥がない状態での、初の総裁選びだといわれています。ご覧になっていて、本当に派閥なき選挙になりそうですか?


 そんなことないでしょ。野党だって、小沢先生とお話ししましたけど、後ろでそういう方たちが動いています。一番後ろには森さんがいるのか知らないけど、菅さんや麻生さんがいて、小沢さんも。昔の自民党の古い人たちが相変わらずやっているんですから、これで刷新なんかされますか?

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年9月9日放送)