「悲しくて泣いた」「なんで」少年野球チームが小学校グラウンド使用禁止され市教委などを提訴 京都市「子どもたちに説明して」
京都市上京区にある小学校の野球チームが、約2年間にわたり小学校のグラウンドを使用できなくなったとして、教育委員会などを相手に訴えを起こしました。
一体、何があったのでしょうか。
これは、当時小学6年生だった児童が京都市長に宛てた嘆願書です。
嘆願書(吹き替え)
「ある日、突然グラウンドが使えなくなりました。校長先生に『君たちには本当に悪いと思っている』と言われただけで、理由は教えてもらうことができませんでした」
小学校のグラウンドが使えなくなったことで、校区外の有料グラウンドでの練習や移動にかかる負担を強いられたとして、21日、京都地裁に訴えを起こした野球チーム。
このチームは、主に仁和小学校の児童で構成され、地域の野球チームらで作る「振興会」と、市の「スポーツ少年団」に所属していました。
ところが、スポーツ少年団については、会費を支払うことが難しいなどの理由で退会し、振興会については、外部が主催する大会に出場するため、脱退を余儀なくされたということです。
すると、2022年10月、練習場所としていた仁和小学校のグラウンドを使用禁止にされました。
当時の野球チームのメンバー
「はじめ、使えなくなった時はすごく悲しくて、泣いた日とかもあったんですけど」
「校長が『君たちには申し訳ないけどグランドは使えないってPTAの人たちに言われた』って言われて、正直なんでって思いました」
「平日にやってた練習も夜に公園でやるようになって、生活も変わったし、練習量も減ったし、悲しかったです」
学校のグラウンドを管轄する市の教育委員会は―。
京都市教育委員会の藤井翔太企画広報係長
「野球の振興会を脱退されたり、スポーツ少年団を脱退されたり、地域の団体でなくなり、学校の施設の方を使用いただけなくなった」
教育委員会によると、地域の住民で構成され、地域に所属する団体でないと学校施設を貸し出すことができないということです。
小学5年生の鵜川蓮大さん
「自分が野球する。そういう場所を大人の理由だけで、子どもの理由も何も聞かずに使えなくしたのが本当に悔しかったです」
仁和ホワイトホースの須藤隆正コーチ
「自分たちで校長先生のところにお願いしに行ったり、なんで使われへんやと話聞きに行った時は正直びっくりした。どうにもならへんとなった時とかは悔しかったですね」
その後、チームはスポーツ少年団に再加盟したことで、再びグラウンドの使用を認められましたが、1年8か月にわたり小学校を使用できず、精神的苦痛を受けたなどとして、京都市教育委員会などに対し、165万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
須藤コーチ
「グラウンドを出ていくことを余儀なくされたんですけども、説明が足りなかったと思っているので、そのうえで子どもたちの時間が戻るわけではないですが、少しは子どもたちに説明して納得する答えが返ってくると思っています」
提訴を受け、教育委員会側は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えさせていただきます」としています。