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【独自密着】命がけ“越前がに漁”解禁!地元に活気と笑顔をもたらす 漁獲制限に燃料費高騰、人手不足も…過酷な現場で東南アジアからの出稼ぎ漁師も活躍

2023年11月16日 13:56
【独自密着】命がけ“越前がに漁”解禁!地元に活気と笑顔をもたらす 漁獲制限に燃料費高騰、人手不足も…過酷な現場で東南アジアからの出稼ぎ漁師も活躍
冬の味覚の王者“越前がに”
漁の解禁から2日遅れとなった越前がに漁。漁獲制限に燃料費の高騰、そして人手不足と、取り巻く環境は厳しさを増しています。それでも地域に活気と笑顔をもたらす“越前がに”に命をかける男たちに密着しました。

■解禁から時化で海に出れず、2日遅れの越前がに漁

越前町漁師 小平 一博 さん
「1年でカニが一番とれる日で緊張します。やっぱり力入りますね」

越前町の漁師で第三昭栄丸の船長、小平一博さん。時化の影響で解禁から2日遅れの越前がに漁はようやく初日を迎えました。

■まだまだ海は荒れ模様

FBC 吉岡 弘起 記者
「波の高さはうねりを伴って、高さ3mと海は荒れています」

小平 一博 船長
「もっと揺れるんやで。7時になったら全速で走るから(船の)中に入っていないとあかんぞ」

前線が通過したばかりの会場は、まだまだ荒れ模様…。
午前7時。当たりをつけた魚場を目がけて一斉に出航します。

小平 一博 船長
「周りを見ていないと。(漁場の)イスとりゲームみたいなもの。近くで操業していて周りを見ながらやらないと」

船長の合図と共に乗組員は網を沈めます。岩に引っかけないように潮の流れを計算しながら、深さ250mほどの海底に沈めます。1時間ほど引いた網を巻き上げると、オスのズワイガニやメスのセイコガニの姿が。

■今シーズンはカニの大きさや数を制限

海禁から2日遅れで始まった越前がに漁。今シーズンはカニの大きさや数を制限していて、漁師にとって厳しい船出となっています。資源量が回復し、豊漁が期待できる今シーズンも、県内では自主的に漁獲制限をしています。

オスのズワイガニでは、甲羅の幅の基準をこれまでの9cmから10cmに大きくして、小さいカニは海へ返します。

またメスのセイコガニも、一隻あたりの24時間の水上げ量を8000杯から 5000杯に制限していて、その分、海の上での作業にも手間がかかります。

小平 一博 船長
「ちょっとプレッシャーというか、緊張はしますね。沖に漁に出られないと、TAC(漁獲量可能)制限もあるので、ほどよく漁に出られたら」

食事は漁の合間をぬってご飯をかき込み、次の網入れに備えます。愛妻弁当もゆっくり味わう余裕はありません。

乗組員
「ご飯食べる暇があるってことは、そんだけ量がないってこと。解禁日にそれはあかん」

■過酷な現場では今、東南アジアの出稼ぎ漁師が活躍

2日間時化(しけ)で出漁を見合わせたため、出遅れた分を取り戻そうと網を続けて投げ入れます。そんな過酷な現場では今、東南アジアの出稼ぎ漁師たちが活躍しています。

インドネシアから出稼ぎ ナージー・ハーリーヤンドさん(31)
「(福井の)生活は大変。なにも高いです。野菜とか肉が高い」

インドネシアにいる妻と1歳の息子に、毎月仕送りを続けるナージー・ハーリーヤンドさんもその 1人。人手不足が続き、彼らの力なしでは越前がに漁は成り立ちません。沖に出て丸1日。初日の第三昭栄丸の漁はまずまずで、船には大漁旗が掲げられました。

■命がけで取ってきた越前がにが今シーズンも地域に活気と笑顔を

小平 一博 船長
「最初は海の状態が良くなかったので、どうなるかなと。でも海に出てみると思ったより良く、良い漁が出来て良かった。油は絶対かかる経費で、水揚げが少しでも上がるように。魚の鮮度保持など、そういうことに力を入れたいと思います」

他の追随を許さないトップブランドの越前がに。
海に生きる男が命がけで取ってきた越前がにが、今シーズンも地域に活気と笑顔をもたらしています。

(FBC 福井放送 2023年11月8日取材)

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