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「自然の力でどんどん流される…」記者も流された「離岸流」どう身を守る?

2024年7月21日 17:00
「自然の力でどんどん流される…」記者も流された「離岸流」どう身を守る?

ご存じですか?「離岸流」の怖さ

各地で海開きが行われ、本格的に海のレジャーを楽しむ季節がやってきました。だからこそ気をつけたいのが「海の事故」。さまざまな海水浴場で、毎年悲惨な水難事故が起きています。
今回特に注意をお願いしたいのが「離岸流」と呼ばれるもの。「離岸流」とは、海岸に打ち寄せた波が沖に戻る時に発生する強い潮の流れのことで、水難事故の原因の1つとされています。海上保安庁によると、その流れの速さは秒速2メートルで、発生する場所が海岸あたり10メートルから30メートルと限られた場所で発生します。

どこの海水浴場でも起こりうるが予測不可能

海上保安庁は海水浴シーズン前に離岸流の発生状況を定期的に確認していますが、それによると福島県内の海水浴場でも発生が確認されています。調査は、環境に無害な蛍光色の着色料を海にまいて、その色がどのように広がるかを確認します。通常は周辺に拡散されていきますが、離岸流が発生していると着色料は一本の筋のような模様を描いて広がっていきます。

「どんどん自然の力で沖へ…」離岸流に入った記者

2019年に北泉海水浴場(福島県南相馬市)で行った発生調査では、離岸流が発生しているところに、ライフジャケットを着用した記者が入り、福島海上保安部の指導のもと流される実験をしたことがあります。このとき、波は当然ながら浜辺に向かって打ち付けているにもかかわらず、海に浮いた状態の記者は沖の方へとどんどん流され、浜辺から遠ざかっていきました。

■実験に参加した記者
「足がついている状態だと、沖のほうへすごい力で流されるのを感じることができました。一方で浮いた状態だと、どんどんと自然の力で沖へ流されていく、そんな状態でした」

プロのアスリートでも脱出は難しい…身を守る術は?

ひとたび離岸流に流されると、プロのアスリートでさえも逆らって浜辺に戻ることは難しいといいます。そのぐらい強大な力の「離岸流」。もし流れにはまってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。

■福島海上保安部の担当者(2019年当時)
「離岸流というのは沖に流れていく潮の流れです。ちょうど波と波の間が発生しやすいポイントとなっています。陸に向かって泳がないで、海岸に対して平行に泳いで、離岸流の流れから脱出するのが良い」

焦らず浜辺に戻ろうとしないで、一旦海岸に対して平行に泳いで、離岸流から脱出するのがポイントだそうです。

■福島海上保安部の担当者(2019年当時)
「まず遊泳する方々が、離岸流が発生しているんじゃないかということを肝に銘じて頂いて、自分の身は自分の身で守るという形で、安全対策を施してほしい」

目ではわからない離岸流だからこそ、自分が遊ぼうとしている海水浴場にもそうした危険なゾーンがあると意識をして、みなさんも海のレジャーを楽しんでください。