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被災地の手作り「仮設風呂」 断水続く七尾市 水も配管も地域が協力してできた「かけ流し」

2024年2月20日 16:52
被災地の手作り「仮設風呂」 断水続く七尾市 水も配管も地域が協力してできた「かけ流し」

今なお、断水が続く七尾市では、被災した住民らが協力し体も心も温まる施設を作りました。水道がまだ使えない近隣住民の体を癒しています。

広い範囲で今も、断水が続き水道が使えない状況が続く七尾市。
市内の住宅街の一角に住民たちで作り上げたある施設が建っています。

それがこの仮設風呂。

温かいお風呂で住民がリフレッシュできるようにと先月14日に建てられました。
だれでも無料で使うことができます。

(Q湯加減はどう?)
利用客:
「めっちゃ気持ちよかったです」「(風呂は)3日ほど入っていないので気持ちいい」

衛生面を考慮し、入浴方法は湯舟には浸からない「掛け湯式」。
体が冷えないよう、室内の温度は30度に保たれています。


仮設風呂を作ったのは、関東で建設会社を経営する篠原雄一郎さんです。
篠原さんは、妻の実家のある七尾市に家族で帰省中、大きな揺れに襲われました。街が被災し、地域の人たちと協力して生活する中で・・・。

篠原雄一郎さん:
「(住民が)風呂が今あったら夢だなと話していて仮設の風呂をさせてもらうことになった」

篠原さんは関東にいる従業員と連絡を取り早速、仮設風呂の建設に取り掛かりました。すると・・・。
「地元の業者が(地域のため)だったら手伝ってやるとすぐ駆けつけてくれたり建築屋さんが水道の配管工事をやってくれたり皆さんの力があってできた」

近くで被災した入浴施設が井戸水を提供するなど、まさに地域住民で作り上げた仮設風呂です。
今では、体の芯まで温まると評判になり、多い時には80人ほどがこちらの風呂を利用しています。


「熱い、ほんとに熱かった」
「ありがとうございます!」

篠原雄一郎さん:
「ちょっと熱いってね。でもあったかいほうがいいのかなと思ってます。僕も(風呂に)1週間入れなくてしんどい思いをしたので少しでもこのお風呂がみなさんのためになってくれれば」