震災の影響 輪島・珠洲の路線価が半分ほどに 石川初の「調整率」導入
道路に面した土地、1平方メートル当たりの価格を示す「路線価」。県内4099地点を調査対象とし、1月1日現在の鑑定評価額などをもとに算定されました。
今年の県全体の平均変動率は前年比でプラス1.4%と3年連続の上昇となりました。一方、この算定のタイミングは能登半島地震が起きる前のため、国税庁は今回、被災状況を反映させるための「調整率」を設定しました。県内では、地震の被害が大きかった奥能登を中心に調整の幅が大きくなっていて、輪島市や珠洲市の一部の宅地では55%と半分ほどの評価となりました。
輪島市の朝市通りでは4万7000円という価格から55%の調整率が適用され2万5850円と大幅に下落しています。
県不動産鑑定士協会 神田 勝康 会長:
「長期的な人口減少と産業の不振がありますから、なかなか厳しい状況が続くのかなというのはあります。高齢化率も非常に高いですし、価格を高める要因はなかなか見当たらないというのが正直なと ころです」
一方県内で最も高かった地点は、去年と同じく、堀川新町の金沢駅東広場通り。去年から4万円高い94万円まで価格を伸ばし、2年連続での上昇となりました。
上昇率は4.4%と、去年から15位ランクアップの全国で12位です。
不動産鑑定士によりますと、去年の新型コロナの5類移行で消費が回復し、観光客が増加したことが路線価に影響したとみられています。
そのなかでも上昇傾向が強く表れたのは…。
山下実々 記者
「今年は北陸新幹線の開業効果もあり、こちらの小松駅前の通りが県内トップクラスの上昇率となりました」
小松市土居原町の駅前通りでは、前年比5000円プラスの11万5000円という価格で、上昇率は4.5%と金沢市の4.4%を上回りました。
県不動産鑑定士協会 畠山 麻衣 事務局長:
「(北陸新幹線敦賀)延伸に向けまして、各種の公共的なものの進捗や整備が行き届いたことに加えて、新しく店舗などの出店も相次ぐような形となってきております」
地震により半分近く落ち込んだ今回の路線価。復旧復興が見通せない中、地震の影響は今後も続きそうです。