【インタビュー】泉ピン子74歳「“終活”やめた」 最期は“老衰で死ねたら一番いい”
泉さんは、歌謡漫談家としてデビュー後、1975年からテレビ番組『テレビ三面記事ウィークエンダー』のリポーターとして活躍。以降、女優として活躍し、テレビドラマ『おしん』や『渡る世間は鬼ばかり』など、数々の人気作に出演してきました。
――泉さんの人生を変えた出会いは?
(昭和から平成にわたり活躍した女優の)杉村春子先生。私のお芝居の恩師だって自分で思っています。ずっとくっついて離さないで教え続けていただきました、亡くなるまで。あとは、脚本家の橋田(壽賀子)先生です。もう恩人ですね。私が出た作品、ほとんど橋田先生ですから。
――心に残っている橋田壽賀子さんの言葉は?
いろんなことを週刊誌に書かれて悲しいとか、つらいときに「ピン子ね。天が見ています。地が知っています。自分が何よりやっていないっていう、我知る。1番よくわかってるでしょ」って。だから、「天知る、地知る、我知るだよ」って教えてくれて、それは今でも心に思っています。
――役を演じる上でモットーにしていることは?
演じる上でモットーにしていることはないね。NGを出さないことぐらいだね。ここまで来たら。やっぱり(女優の世界では)先輩としては一番上になっているからね。後輩の手前、NG出せないよ。そういう意味では余計緊張しますよ。
■初の朗読劇「すごく新鮮」
取材したこの日は、朗読劇 泉ピン子の『すぐ死ぬんだから』(8月4日~14日東京公演)の公開稽古に登場した泉さん。朗読劇は初挑戦で、物語のテーマは“終活”。亡くなった夫に愛人と隠し子がいたことを知った主人公が、プライドをかけ、残りの人生をどう生きるのか奮闘する様子を描いた作品で、全国12か所で公演されます。
――公開稽古を終えた今の心境は?
失敗したことないんだけど…。結構失敗したよね、今日。失敗の連続のような夢も見るし、(本番も)いろんなことが起きるんじゃないかなとか考えます。
――泉さんでも緊張する?
緊張するよ。今日なんか2時間おきに目が覚めている。こんなことないもん。
――勝手なイメージで緊張しないと思っていました…
バカ言っちゃいけない。緊張しない人は信用できない。緊張します。
――これから毎日緊張するかもしれない?
当たり前じゃない! あなた生きてるんだもん。嫌だ、嫌だ。なんでプレッシャーをかけるの、あなた。
――初の朗読劇に挑戦してみてどうだった?
やっぱりそこは役者ですから、面白い役は人にやらせたくないし、やってみたら実に難しかったというのが実感かな。やっぱりおごっていたなって。“新人だったのに”っていう気持ちに戻れた。だから、そういう意味ではすごく新鮮で、新しい意味でいいチャンスだったと思います。
■“終活”やめた「時間かかる」
最近、テレビ番組などで“終活”していることを明かしていた泉さんに聞きました。
――実際に終活はしている?
終活やめたの。終活やっていたら(家の中が)とっちらかっちゃって。見ないで捨てなきゃダメなの。見たらもう写真も見いちゃったり、読んじゃったりするからダメ。時間かかる、終活は。
――“人生の最期はこのように迎えたい”という理想は?
最期? 最期はピンピンコロリよ。ピンピンしていてコロリと死にたいよ。それが一番じゃないの? 人に迷惑かけないで。病院に3日間ぐらい入って、老衰で死ねたら一番いいかな。