ミュージシャンの美勇士（３２）が２３日、東京・原宿のライブハウス「クロコダイル」で「桑名正博　一周忌ライブ　“ＦｏｒｅｖｅｒＫｕｗａｎａ”」を開催した。

　昨年１０月２６日に呼吸不全のため亡くなった父で歌手の桑名正博さん（享年５９）と母で歌手のアン・ルイス（５７）と自身による最初で最後の親子共演となった新曲「Ｏｎｅ」の発売記念会見も兼ねた催し。
　本番前に取材に応じると「親父が亡くなってすぐは悲しいムードでしたけど、途中から気持ちを切り替えて。それからは悲しいムードとかはなく、このＣＤをいかに世の中に届けるかという感じでやってきました。やっとこの日が来たかという感じです」と今の心境を語った。

　一周忌ライブのセットリストについて尋ねられると「親父がパソコンに残していた曲のリストがあって、そこに２００曲から３００曲あったんですね。それを亡くなってから見つけまして、僕も聞いたことがないような曲も何１００曲もあって。その中で本人が好きでライブでよくかけていた曲やヒットした曲なんかから選びました」と狙いを吐露。「死んでから親父の新しい一面が見られたような気がして、感慨深いですね。生きているうちに『こんなに偉大なミュージシャンだったんだ』ということをもっと知れていたらなと思います」としみじみ語り、「桑名正博という文化が忘れられないためにも歌を歌い継いでいきたい。この『ＦｏｒｅｖｅｒＫｕｗａｎａ』も定期的にしていきたい」と息子としての取り組みを明かした。

　報道陣から新曲「Ｏｎｅ」で約５年ぶりに歌声を披露したアンについて「きょうのライブには来られるんですか？」と尋ねられると「やることもいってませんから」と意外な回答。「このＣＤを作るにあたって、一生のお願いを使っちゃったんですよね。『一生のお願いだから、歌ってほしい』って。だからもうお願いできなくて、コメントもいただけませんでした」と苦笑いした。

　会場に選んだ同ライブハウスは「親父も好きでずっと使っていた場所」という。「同じ場所でライブをすることで、同じ景色を見られるんじゃないかな」とステージに期待し、「きょうは有名な方も遊びに行くよって言ってくださっていて。言っていいのか分からないですけど、川崎麻世さんと玉置浩二さんが来てくれる予定。本当に来るかどうかは本番になってみないと分からないですけど、もし来てくださったらすごいことですよね」とはにかんだ。