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【続報】雀右衛門さん長男「臨終は千秋楽」

2012年2月28日 21:54
【続報】雀右衛門さん長男「臨終は千秋楽」

 歌舞伎女形で人間国宝の中村雀右衛門さん(享年91)の長男・大谷友右衛門(63)と二男・中村芝雀(56)が28日、雀右衛門さんの通夜が営まれた東京・青山葬儀所で会見を開いた。

 喪主の友右衛門は自分の誕生日に天国に旅立った父の最期を仕事のためにみとることができなかったが、「2年4カ月闘病しておりまして、(亡くなる前日の)22日に具合が悪くなったという連絡を病院からいただきました。91歳でございますから、天寿を全うしたと思います。臨終は父にとって千秋楽。自然に最後の息が切れていったようです」としみじみ報告した。

 臨終に立ち会ったという芝雀は「まだ意識がしっかりしておりまして、話をしたわけではありませんが、アイコンタクトで意思の疎通を図ることができた気がします」と回想し、「大往生だったと思いますが、こうして葬儀・通夜で皆さん(弔問客)においでいただくと、もうこれで最後なんだという寂しい気持ちになりました。これまでは目に涙を浮かべるということはありませんでしたが、さすがにきょうは(涙が)グッときてしまいました」と悲しみの胸中を明かした。

 名女形だった父・雀右衛門さんは芸道に厳しい一方、素顔は厳しさとやさしさを兼ね備えた人だった。
 芝雀は「小さいころは踊りのけいことかを直接つけてもらいましたが、(私が)できないとプイッと怒って『あとは自分でやっておけ』って言って(けいこ場から)出て行ってしまうこともありました。でも、仕事で夜遅く家に帰ってくると、必ず(子どもの)寝ている姿を見てから、食事をしたり自分のことをしていたようですから。(父は)舞台ではいろんな表現をしましたが、家庭では(やさしさを)表現しにくかったのかな」と亡き父の胸中を推し量った。

葬儀・告別式は29日午前11時から同所で。