藤井八冠 異例の引き分け 勝負メシにも注目 魚津で棋王戦
将棋のタイトル八冠を保持する藤井聡太棋王と、伊藤匠七段の棋王戦5番勝負第1局が、4日魚津市で行われ、異例の引き分けとなりました。注目の勝負メシやおやつとあわせて、盛り上がりをみせた対局を振り返ります。
富山での対局は初めてという藤井聡太棋王と伊藤匠七段。対局を前にした3日の前夜祭で2人は、能登半島地震の被災地への思いも語りました。
藤井聡太棋王
「被災地の方に楽しんでいただけるような将棋を、できれば、見せれたらと思っています」
伊藤匠七段
「みなさんを元気づけられたらと思っています」
「定刻になりました、藤井棋王の先手で対局開始してください」
「はい、お願いします…」
藤井棋王は、4日も対局に臨む際のお茶をじっくりと味わいました。第1局は、序盤から早いペースで進み、昼までには終盤の様相を見せる展開となりました。
県内での棋王戦は5年ぶり。2人は21歳の同学年対決、そして藤井棋王の初防衛なるかなど注目の対局です。
中学生
「(藤井棋王の)相当の努力、血がにじむほどの努力をして、ここまでのぼりつめたと思うので、そういうがんばりをみれる将棋は、とても私たちを楽しませてくれるものだと思います」
兄
「いろんな戦法とか、うん、指し方とか」
弟
「いろんな人に勝ち続けて、強い人だなと思っている」
梅本晃弘記者
「両者に出された勝負めしがこちらです、魚津産のベニズワイガニをはじめ、富山県産の食材が、ふんだんに使われています」
藤井棋王が選んだカレーは、魚津産のベニズワイガニがのせられています。
伊藤七段が選んだ松花堂弁当は、氷見牛のロースト、昆布締め、バイ飯などがあり、2人に富山の魅力をアピールしています。
ホテルグランミラージュ楞谷貴志料理長
「最高のパフォーマンスができるように、しっかりと栄養をとっていただきたいなと思って、作りました」
そして2人がともに選んだおやつは、魚津市の老舗菓子店のいちご大福でした。
対局にあわせて行われた大盤解説会では、県出身の3人の棋士が対局の状況や2人のエピソードを語り、会場を埋めたファンは対局のゆくえにくぎ付けでした。
第1局は、129手までで双方の玉が敵陣に入り、捕まらなくなったため、両者の合意による「持将棋」が成立し、引き分けとなりました。棋王戦での持将棋は1987年以来です。
藤井棋王
「うーん、そうね、ちょっとこちらが工夫が、うまくできなくて、結果として伊藤七段の掌の上というか、そういう将棋になってしまったのかなと思っています」
伊藤七段
「後手としては勝利をめざす展開になったんですけど、後手の玉が入玉するまで時間がかかる展開なので、かなり神経を使いながら指してました」
来場者
「とても貴重な対局を目の当たりにできたと思います、大変、あの、珍しい機会に立ち会えてよかったです」
富山では、ともに集中して対局できたと話す藤井棋王と伊藤七段、第2局に向けて、気持ちを新たにしていました。棋王戦の第2局は2月24日、石川県金沢市で行われる予定です。