“進撃の巨人”の聖地・日田は「市内がテーマパーク」海外ファンも訪れ作者出身地は「巡礼」で盛り上がり
大分県でいま、国内客だけでなくインバウンドからも注目されている観光スポットをご紹介します。
人気漫画「進撃の巨人」の作者の出身地だったことで、ファンが訪れる「聖地」となった日田市です。
北部九州のほぼ中央に位置する大分県日田市。
筑後川水系の豊かな水流に恵まれ、「水郷」と呼ばれているほか、情緒ある古い町並みが残る九州の「小京都」としても知られています。
そんな日田には「聖地」と呼ばれている場所もありました。
◆TOS渡辺一平記者
「日田市の大山ダムです日田市は国内外から多くの観光客が訪れる人気の観光スポット。その理由がこちら、人気漫画・進撃の巨人の聖地となっているからなんです」
圧倒的な力を持つ巨人と人類との戦いを描いた漫画「進撃の巨人」。
累計発行部数は1億4000万部を突破し、世界的な人気を誇ります。
実は日田は作者・諫山創さんの出身地。その縁で、市内には「進撃の巨人」のファンたちが「聖地」として訪れる場所が複数あります。
大山ダムもその1つ。
漫画では巨大な壁で囲まれた町が物語の舞台となっていることから、ダムを壁に見立てて、主人公など3人の主要キャラクターの銅像が設置されました。
「聖地」はほかにも…大山ダムから車で10分ほどの場所にあるのが進撃の巨人のミュージアムです。
原画などおよそ120点が展示されていて、作者の諫山さんが実際に使用していた机も…
人気漫画を生んだ仕事部屋が再現されています。
◆福岡から
「大好きで何度も来ている」「日田の人たちの温かさや迎えてくれるおもてなしの心があるのでまた何度も訪れたい」
◆熊本から訪れた人
「(諫山)先生を身近に感じられるのがいい」
「進撃の巨人」は連載終了から4年が経とうとしていますが、その人気に陰りは見られず、日田市の「聖地」にははるばる海外からもファンがやってきます。
◆スペインから訪れた人
「スペインから来ました」「進撃の巨人に影響されました」
◆進撃の巨人 in HITAミュージアム 森繁基さん
「市内をいろいろ巡って楽しんでもらえる仕組みを作っているので、このミュージアムだけでなく日田市のいろんなスポットに足を運んでもらい、それがいわば市内がテーマパークになったような感じで楽しんでもらえていると思っている」
「進撃の巨人」による日田市での経済効果は、2023年度までの3年間でおよそ55億円と試算。ファンたちの「聖地巡礼」で地域は活性化しています。
こちらは2023年8月にオープンした「聖地」、進撃の巨人のミュージアムの別館です。立地しているのはビール工場の敷地内。「進撃の巨人」効果で工場にも多くの観光客が訪れているということです。
◆サッポロビール九州日田工場金居真由美さん
「海外の人がコスプレをして来たり、皆さん、ビールも進撃の巨人のミュージアムもどちらも楽しんで帰っている」
さらに地域の回遊につなげようとする取り組みも…
こちらのミニシアターで「進撃の巨人」の映画を鑑賞し、そのチケットを市内のカフェや飲食店で提示すると、割引などが受けられるサービスも行われています。
◆日田シネマテーク・リベルテ原茂樹代表
「是非、地元日田で『進撃の巨人』を見て、 聖地に足を運んでもらえたら、映画も心にずっと残っていくものになるのでは」
また、こんなところでも「進撃の巨人」は一役買っています。
◆TOS渡辺一平記者
「様々なデザインの下駄がある中で、 こちらにある商品、実は進撃の巨人のコラボアイテムなんです」
コラボレーションしたのはスギの生産が盛んな日田の伝統的な特産品、下駄。
漫画に登場する巨人と戦う組織のエンブレムがデザインされていて、この下駄を目当てに国内外のファンたちが店を訪れるということです。
◆本野はきもの工業本野雅幸 代表
「進撃の巨人のファンにも日田下駄の良さを知ってもらうきっかけになればと思い、作った」
「気軽に来てもらって試し履きしてもらって、 日田下駄の履きやすさや魅力を知ってもらえたらうれしい」
人気漫画「進撃の巨人」で国内だけでなく海外からもファンが訪れるようになった日田。
「聖地巡礼」が地域の魅力の再発見にもつながっています。
【「進撃の巨人」©諫山創/講談社】