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値上げ相次ぐ 美容室にスイミングスクールも “値上げできない”銭湯は…

2022年5月30日 21:02
値上げ相次ぐ 美容室にスイミングスクールも “値上げできない”銭湯は…

値上げの波は食料品だけでなく、美容室や習い事など生活に結びつくサービスにも広がっています。一方、水道・光熱費の値上がりが続く中で、銭湯では「値上げしたくても、値上げができない」と苦悩しています。

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カップ麺や袋麺にアイスクリームは、6月値上げされる食品のほんの一部です。30日、マルハニチロは「8月1日の納品分以降、家庭用冷凍食品の約9割を値上げする」と発表しました。

食品以外に、電気・ガス代が6月に引き続き、7月も値上げが発表されるなど、まさに“値上げラッシュの夏”です。

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暮らしに身近なサービスにも、値上げの波が押し寄せています。

千葉・君津市にある街の美容室では、8月からカット、カラー、パーマの料金を110円ずつあげることを決定しました。電気・ガス代などの必要経費が、2021年と比べ月に2万円以上上がったことが大きな理由です。

naiveマネージャー 堀籠由紀さん
「世の中的に、いろいろなものが値上がりする中で、みんなのお給料をあげていきたいということで」

従業員の給料を上げるため、値上げに踏み切りました。

この値上げについて、常連客は「しょうがないというところもあるけど、正直苦しいなってところもあったりします。日々の生活を切り詰めながら通おうかな」と話しました。

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“値上げの波”は、小さな子どもから水泳選手も通うスイミングスクールにも及んでいます。保護者にとっては「寝耳に水」でした。

保護者
「価格改定が、まさかプールであるとは思っていなくて」

温水プールや、プールサイドの暖房に使うガス代などが急激に上がったため、月の会費を一律510円値上げしました。それでも、経費の上昇分を賄いきれないといいます。実は、その背景には新型コロナウイルスの影響もあるといいます。

スウィン大宮 スイミングスクール 秋山晃一社長
「(コロナ前と比べ)約1割ちょっとは会員の方が減っている。ここまでの値上げはなかったですね」

節電、節水などの企業努力だけでは限界と判断し、苦渋の値上げに踏み切ったのです。

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その一方、自分の判断では値上げに踏み切れない所もあります。

東京・荒川区にある銭湯では、お湯を沸かしたり、サウナを温めたりするのに、ガスを使用していますが、そのガス料金が今年に入って大幅に上昇しました。昨年より6~7割ほど高い状況が続いている上、浴室に置くシャンプーやボディーソープの仕入れ値も2割ほど上がりました。

本来なら入浴料の値上げに踏み切りたいところですが、それができない理由がありました。

梅の湯 栗田尚史さん
「銭湯という公衆浴場は、各都道府県で入浴料の値段が決まってますので、そちらを店独自の判断で変えることはできなくなっています」

東京都の場合、入浴料は一律480円とこの業界には“決まりごと”があります。とはいえ、このままでは“死活問題”となります。

梅の湯 栗田尚史さん
「レンタルタオルも、以前は100円だったが、150円に値上げさせていただいて、お風呂代以外でご負担いただいているかたちになります」

レンタルタオルの他にも、飲み物を値上げすることで、少しでも採算を合わせようと考えました。

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様々なサービスにも押し寄せる“値上げの波”は、私たちの暮らしを圧迫しています。