米学者“世界10大リスク”1位は「中国」
世界が直面する数々のリスクを予測してきたアメリカの政治学者、イアン・ブレマー氏が2日、今年の「世界10大リスク」を発表し、世界での影響力を増す「中国」を1位に選んだ。
ブレマー氏はこれまで過激派組織「イスラム国」のテロ拡散やイギリスのEU離脱などを予測していて、今年のリスク1位には「権力の空白を好む中国」を選んだ。
イアン・ブレマー氏「2018年の世界は、地政学的に過去20年で最も危険な環境だ」
アメリカのトランプ政権が、TPP(=環太平洋経済連携協定)を離脱するなど多国間の枠組みを主導しなくなる中、ブレマー氏は習近平体制2期目となった中国が影響力を増大させ、北朝鮮情勢などをめぐり、日本やアメリカと摩擦を生む恐れがあると説明している。
この他、北朝鮮有事や世界規模のサイバーテロなどの「偶発的な事件」、対立が強まるアメリカとイランの関係などを世界的なリスクだと分析している。
<2018年 世界10大リスク>(ユーラシア・グループ発表)
1位 「真空」を愛する中国
2位 偶発的なアクシデント
3位 テクノロジー分野での世界的「冷戦」
4位 メキシコ
5位 アメリカ・イランの関係
6位 組織・機関の衰退
7位 保護主義2.0
8位 イギリス
9位 南部アジアにおけるアイデンティティ政治
10位 アフリカの安全保障