タイ伝統行事“洞窟救出の少年ら”の彫刻も
タイで28日、伝統行事のキャンドルフェスティバルが開かれた。仏教にまつわる祭りだが、ことしは洞窟から救出された少年らをモチーフにした彫刻が登場した。
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タイ東北部、ナコーンラーチャシーマー。街の中心部に姿を見せたのは大きな彫刻のパレード。全体に緻密な細工がされた美しい彫刻はすべて、ロウで作られている。
これは、キャンドルフェスティバルと呼ばれる、伝統行事。その昔、寺で修行する僧侶に、村人たちが日用品のロウソクを献上する際、誰のロウソクが一番美しいか競い始めたのが、起源と言われる仏教国ならではの祭り。
今では、それぞれの寺が仏教にまつわる物語を作品にして、品評会が開かれる。製作期間はおよそ3か月。地元の芸術家が繊細な模様を彫りだしていく。
ある寺では、今年ならではのトピックを取り入れていた。洞窟の奥に取り残された少年たちと救助隊の姿だ。今月、北部の洞窟から奇跡的に救出されたサッカー少年たちをモチーフにしていた。
制作チームリーダー・ティアンさん「救出された少年らと、救出に関わった人たちを励ましたくて作った」
最新の出来事を取り入れることで、若い世代に仏教の思想や伝統技術を身近に感じてほしいという思いもあるという。
作品を見た人「洞窟の少年たちのテーマを伝統文化とミックスさせていて良いと思った」
模様の美しさやストーリー性などで評価される品評会。残念ながら優勝は逃したが、訪れた多くの人を魅了した。作品はこのあと、それぞれの寺に奉納されるという。