“仏像盗難”韓国で裁判 住職「今後は出席せず」
10年前に長崎県の対馬で盗まれ、その後、韓国で見つかった仏像の所有権をめぐる裁判が15日、韓国で開かれ、対馬の寺の住職が初めて出席して仏像の返還を求めました。
15日、大田高裁で開かれた裁判には、長崎県対馬市の観音寺の住職が「補助参加人」として初めて出席しました。
観音寺が所蔵していた「観世音菩薩坐像」は、2012年に盗まれその後、韓国で見つかりましたが、韓国の浮石寺が「中世に日本に略奪された」として所有権を主張。仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めて提訴しています。
1審は韓国政府に浮石寺への引き渡しを命じましたが、韓国政府は仏像と寺の関係が十分に証明されていないとして控訴し、2審の審理が続いています。
15日の裁判で、観音寺の住職は「仏像は盗まれて違法に韓国に持ち込まれたという本質に立ち返るべき」と主張しました。
観音寺・田中節竜住職「(仏像は)観音寺が檀家の心のより所として、長く大切に守ってきた。何回も言っていますが、早期返還を強く求めるところです」
今後は裁判には出席せず、書面で所有権を主張していくということです。