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そもそも決裁文書って?書き換えなぜ起きた

2018年3月12日 18:49
そもそも決裁文書って?書き換えなぜ起きた

森友学園への国有地売却問題で、政府は12日、14の決裁文書が書き換えられていたことを国会に報告した。安倍首相の昭恵夫人や複数の政治家の名前も削除されていた。

12日、財務省は決裁文書の書き換えを認めたが、そもそもどんな問題で、なぜ起きたのか、解説する。

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【事の発端…森友問題とは】
事の発端は、去年2月に発覚した森友問題。学校法人「森友学園」が2016年、小学校建設のため大阪の国有地を購入した。

この時、国は8億円値引きして森友学園に売却したが、こんな大幅な値引きは不自然だ、不当な値引きだったのではと国会で問題となった。

当時、国有地売却を担当する理財局のトップだった佐川前国税庁長官は追及を受けてこう答弁していた。

佐川前国税庁長官(去年3月)「価格につきまして、こちらから提示したこともございません」
(去年2月)「(交渉)記録は残ってございません」

政権の意向が働いて森友学園に便宜をはかったのかが焦点だったが、佐川氏は「適正に行われた」と国会で強調した。

佐川氏は交渉の記録自体がない、廃棄したと言ったため、野党は、売買の経緯がわかる決裁文書を出してほしいとして、財務省が国会議員らに文書を開示した。

ところが12日、財務省がこの決裁文書を当時の佐川氏の国会答弁との整合性をとるために書き換えていたことを認めた。

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【決裁文書とはどんなモノ?】
そもそも、この決裁文書とはどういったものなのか。財務省が国会に提出した決裁文書の1ページ目を見ると、この文書がいかに重要なのかがわかる。また文書の保存期間には「30年」の部分に印がつけられている。

こうした国有地の売却に関わる決裁文書というのは、通常保存期間が30年と重要度の高い文書になっている。国の財産、国民の大事な財産を売却するため、今回のように、内容に問題がなかったのか後に検証できるよう保存期間が長くとられている。

この文書には、担当者から上に部長や次長とたくさんの人が確認してハンコを押して次に回している。これだけ慎重に決定していることがわかる。

【どこを書き換えたのか?】
文書の中には、どのような交渉が行われたのか、どのような事業を行うのか説明する文書がついていて、財務省は12日、その文書を書き換えていたと発表した。

これはもちろん絶対にダメなことで、こうした公文書の管理は法律でも定められていて、「行政機関の意思決定をあとから検証するためのもの」だとして、「一旦、決裁が完了した文書は書き換えてはいけない」ことになっている。

つまり、書き換えを許すと時の権力者が不正をしても都合のいいように隠すことができる。事実をゆがめることを許してしまうことになるため、法律で禁じている。

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【国有地売却担当者の自殺と佐川氏辞任】
もう一つ、この陰で起きていたことが9日に発覚したが、国有地売却を担当していた部署の職員が死亡していたことがわかった。自殺だったとみられている。

この件が発覚した同日に、佐川氏が国税庁長官を辞任する事態になった。佐川氏は職員が亡くなったことについて「ニュースで知った」と言っていた。

辞任理由については「国会審議の混乱を招いたこと、行政文書でさまざまな指摘を受けていること、文書の担当であったため」と説明している。つまり書き換えがあったのかなかったのか、明らかにしないまま辞任した。

佐川氏は真相を知っているのに事実を隠すような答弁を繰り返していたのなら許されない行為。誰かへの忖度(そんたく)が働いたのか、誰かからの指示があったのか、国会で徹底的に解明しなくてはいけない。