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学術会議任命見送り 菅首相“自らが判断”

2020年10月9日 18:52
学術会議任命見送り 菅首相“自らが判断”

菅首相は9日夜、内閣記者会のインタビューで、日本学術会議が推薦した研究者6人を任命しなかったことについて、安倍前首相からの引き継ぎを否定した上で、自らが判断したことを明らかにしました。

──安倍前首相から引き継ぎというのがあったのでしょうか

菅首相「ありません。そうした一連の流れの中で判断をしたということであります」

菅首相は任命の経緯について、先月28日に決裁を行ったことを明らかにし、その直前に初めて候補者のリストを見た際、すでに6人はリストに入っていなかったと説明しました。

また、日本学術会議の梶田会長と「会う用意がある」と述べる一方で、学術会議が求める6人の任命については「今回の任命について変更することは考えていない」と語りました。

6人を任命拒否した理由については「広い視野に立って、バランスのとれた行動を行い、国の予算を投じる機関として国民に理解される存在であるべきことを念頭に判断をした」と同じ答弁を何度も繰り返し、研究者個人の思想信条が判断に影響することはないとの考えを示しました。

また、政府が1983年の国会で「推薦したものは拒否しない」と答弁していたにもかかわらず、2018年に「推薦の通りに任命する義務はない」とする見解をまとめたことについては、野党などが「解釈変更を勝手に行った」と批判しています。

これについて記者団が「国会でオープンに議論するべきだったのではないか」と質したところ、菅首相は「解釈変更を行っていない」と述べました。

一方、学術会議については「役割に関心が集まっている」として「これを機会に学術会議のあり方が良い方向に進むなら歓迎したい」と改革姿勢をアピールしました。