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【特集】閉館した老舗映画館がレトロミュージアムとして再出発!

2024年8月1日 19:00
【特集】閉館した老舗映画館がレトロミュージアムとして再出発!

2008年に、惜しまれつつ閉館した松本市の老舗映画館があります。

長く親しまれていたその映画館の建物を使って、かつてのにぎわいを取り戻そうと7月、あるミュージアムがオープンしました。

7月20日、松本市の中心部にミュージアムがオープンしました。

上土商店街振興組合 藤森典人理事長
「うれしい限りでございます。長年のなんとか街づくりにここの映画館を活かしたいと考 えていたのでそれが叶ってやれ やれという形です」

「上土シネマミュージアム。」

2008年に惜しまれつつ閉館した映画館「上土シネマ」の建物を使い、映画ポスターの展示やコスプレ体験などができる施設です。

「上土シネマ」は大正6年、1917年に地元有志の出資で松本電気館として開館。1960年代には松本東映に改名し、2002年、「上土シネマ」となりました。

映画全盛の昭和の時代、松本市内にはたくさんの映画館がありましたが、次第に、客足は遠のきその数は減っていきました。客が1人も入らない日もあったという上土シネマもついに2008年、老朽化などを理由に90年の歴史に幕を下ろしました。

しかし、建物はそのまま残っていました。

最近、外国人をはじめとする観光客が増えている松本。個性豊かな長屋風の店が並ぶ繩手通りや蔵造りがつづく中町通りなどは人気が高い一方で「上土シネマ」があるエリアは観光客も少ない印象です。

そんな中、地元商店街などがかつての賑わいを取り戻すきっかけにしたい、と旧映画館を活用したミュージアムを計画したのです。

6月24日 事業概要説明会
オープン1ヶ月前。地元に対する説明会が行われました。

説明するのは、ミュージアムを運営する東京のIT企業社長、百瀬寿祐さん。地元出身の百瀬さんは、、上土商店街振興組合などから相談を受けて、今回の計画に携わることになりました。

ラージヒル 百瀬さん
「高校生ぐらいの頃に実際自分で観てた映画館でずっと閉館して長かった、なのでもう一回オープン本当にできるのだろかと不安から始まりでしたね」

オープンまでほぼ1週間、準備を手伝っていたのは、松本大学で観光や地域振興などを学ぶ学生たち。

館内に残されていたおよそ7000枚の映画ポスターを展示するため、もともと街づくりで親交があった大学生たちに協力を依頼したのです。

百瀬さん
「ポスターをレトロポスター展と いう形でここの館内で紹介をし ていくことを、商店街の皆さん が企画をしていて、そこに松本 大学の観光ホスピタリティ学科 の学生さんたちが、教授のご指 導の下、選定に始まり、自分の コメントで紹介コメントを書き 起こしてくれた」

学生は
「こうやって実際にポスターを生で扱えるというの はなかなかない経験なのでとて も貴重な経験なっているかなと 思います」

にぎやかに迎えたオープン当日。

閉館当時のまま残る館内では、昭和40年代ごろから使われていた映写室なども見学できます。

百瀬さん
「当時の様子がそのまま残っていたんで」
見学者は
「私の記憶はね、大きいような 気がしたんだけどなんか今来て みると、こんな小さかったかな と思って」
見学者は
「昔懐かしい、思い出しました。タイムスリップして楽しか ったです」

ミュージアムの周辺には歴史を感じさせる建物が多く残っていることから、こんな、コスプレ体験も用意されました。

百瀬さん
「松本城から歩いて数分の場所 にミュージアムがありますから、日本の大正コスプレを外国の方 にも着ていただけるように、2分で着替えられるものという ものを独自開発しました」

マジックテープで簡単に脱着できる衣装を開発。

高山昌水ディレクター
「それでは実際に2分で着替えられるかチャレンジしてみたいと思います。スタート!」
「1分17秒ということでかなり早くできました。完成です」

百瀬さん
「ここがひとつの日本の古いレ トロな文化体験とか、レトロな 体験をしに来てもらえるような そういうエリアに今後していく 、そのための中心地にここがな ればいいなと思っています」

地元商店街にとって長年の念願だった「上土シネマ」の活用。

まずはミュージアムを軌道に乗せて資金をつくり、将来、映画館開業当時の外観を復元させることが目標です。

理想のまちづくりに向けて、夢は続きます。

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