日中首脳会談は? 「焦り」と「期待」
アメリカ・サンフランシスコを訪れている岸田総理は中国・習近平国家主席との会談を調整しています。
ーー会談は、正式に決まりましたか?
まだ、決まってないんです。交渉にあたっているある政府関係者は「やれると思っているがまだ返答がなく困っている」と話しています。日本時間の17日朝以降に会談をする方向で調整が続いています。アメリカに入って取材をすると日本政府内には「焦り」と「期待」が交錯していると感じます。
ーー日本に焦りですか? 昨日は中国が焦っているとお伝えしましたが。
会談実現の背景には中国の国内経済が失速し、日本企業の投資を呼び込みたいという中国の「焦り」がありました。ただ、先だって行われた米中首脳会談では一定の合意に至った、と。その後、取材するとある外務省関係者も「日本もなんらかの進展がないわけにはいかない」と、今度は日本側に「焦り」が出ているようです。米中関係が前進すると「日本が置き去りにされる」という焦り、です。
ーー岸田総理は会談で問題解決への道筋は、少しでもつかめそうなんでしょうか。
そこに、少し「期待」はあるようです。会談の最大のテーマは日本の水産物の輸入停止です。岸田総理は改めて日本の立場を説明します。
ある外務省関係者は「習主席には都合の悪い情報は入っていない。岸田総理が直接、立場を伝える意義は大きい」と話しています。
別の官邸関係者も「習主席が決めないと動かない」とトップ外交による事態打開への期待が出ています。一気に「輸入停止解除」とまではいかなくてもある外務省関係者は「じりっと、前進したな」と思える内容になる、と「期待」を示しています。