SPEEDI試算、国民公表前に米軍に提供

福島第一原子力発電所から放射性物質がどう拡散するかを予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムの試算結果を、福島第一原発事故直後にアメリカ軍に提供していたことが明らかになった。
文科省によると、SPEEDIによる試算結果を国民に公表する9日前の去年3月14日、外務省を通じてアメリカ軍に提供したという。
SPEEDIをめぐっては、試算結果の公表が遅れたために住民の避難が遅れ、放射性物質が拡散する方角に避難した人が出るなど、無用の被ばくを招いたと指摘されてきた。
SPEEDIの試算結果について、平野文科相は「文科省としては3月11日に関係機関には出している」とした上で、国民に提供していなかったことについては「真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べている。