使用済み核燃料サイクルのあり方を検討する政府の委員会は１６日、電力に占める原子力発電の割合にかかわらず、燃料を地層に直接埋める処分方法が最も経済的であるなどとする報告書をまとめた。

　核燃料サイクル技術等検討小委員会はこれまで、３０年時点での電力に占める原子力発電の割合を、「０％」「１５％」「２０％」「３５％」と４つ想定した上で、使用済み核燃料のあり方をどうするべきかについて議論してきた。

　まとまった案は、「燃料を全て再処理する方法」「処理せず地層に埋める方法」「両方を併用する方法」の３つについて、それぞれのメリットとデメリットが示された形。原子力発電の割合がいずれの場合でも地層に埋める処分が最も経済的だとする一方、処分地の確保などが困難だと指摘している。

　報告書は、政府がエネルギーに占める原発の割合を考える上での重要な要素となり、今後、原子力委員会の決定を経て、閣僚らで構成される「エネルギー環境会議」に報告されることになる。