東大病院が聴取 森口氏「1件実施」と主張

iPS細胞(=人工多能性幹細胞)を使ってヒトの心臓の治療を行ったと発表し、その一部を虚偽と認めた森口尚史氏が15日、アメリカから帰国し、東京大学医学部付属病院で約3時間にわたって聞き取り調査を受けた。
森口氏は15日午後、成田空港に到着、報道陣の取材に応えた。森口氏は、当初、6例行ったとしていたヒトの心臓治療について、5例はウソだったが、1例は実施したという主張を続けた。
森口氏はこの後、「特任研究員」を務める東京大学医学部付属病院に入り、約3時間にわたって聞き取り調査を受けた。東大病院によると、森口氏は「治療は1件実施した」と主張した上で、「証明できる人から口止めされているので詳細は言えない」と述べたという。東大病院は引き続き、聞き取り調査を行う方針。
森口氏は、東大病院で「細胞や臓器の凍結保存」の研究チームの一員としてiPS細胞の保存法を調べているとされていて、東大病院は実態を調査すると説明した。
一方、この研究に内閣府の助成金が1億5000万円以上出され、森口氏の給与もその中から支給されているため、内閣府も調査を始めた。