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“子どもの骨”DNA鑑定の現場は――「水分が多いと分解進むことも」「DNAが微量で抽出が難しい」 血液と違った複雑さも

2022年4月29日 9:17
“子どもの骨”DNA鑑定の現場は――「水分が多いと分解進むことも」「DNAが微量で抽出が難しい」 血液と違った複雑さも

山梨・道志村のキャンプ場近くで子どもの頭の骨が見つかり、28日で5日。身元の特定に向けてDNA鑑定が進んでいますが、実際の作業はどのように行われるのでしょうか。鑑定の現場を取材すると、血液とは違った、骨特有の難しさがあることが分かりました。

■隠されずに…「子どもの骨」発見

山梨・道志村の山の中で見つかった、子どもの頭の骨の一部。捜査関係者によると、骨は後頭部の一部で、目立った傷はなく、隠された状態ではなく斜面の表面で発見されたことが、新たに分かりました。

骨が見つかって、28日で5日となりました。警察は骨のDNA鑑定を行って身元の特定を進めていますが、結果はまだ分かっていません。

■骨はDNA「微量」で…抽出難しく

骨のDNA鑑定とは、どのように行われるのでしょうか。千葉大学附属法医学教育研究センターを取材しました。

DNA鑑定を行う永澤明佳講師が、鑑定前の骨が入った試験管を示しました。「骨はDNAの量が血液や臓器と違って微量ですので、抽出が難しくなってきます。血液などであれば、今は機械などで自動で抽出できるものがあります」と言います。

骨の場合、取れるDNAが微量で、砕いて溶かし、液体にするなどの工程も必要なため、時間がかかるといいます。

■最低でも1週間…「状態にもよる」

抽出できたDNAは機械で約40分かけて解析します。DNAの配列が一致した場合、解析の結果に同じような反応が示されます。

こうした解析は全ての骨でできるわけではなく、腐敗が進んでいないかなどの、骨の状態によるといいます。

永澤講師
「骨の状態によって(DNAの)出やすさは変わってきます。水分が多い所で置いてあったご遺体などでは、分解が進んでしまうこともあります。2~3年たっていても出ることはあります」

永澤講師によると、血液などの場合は1日で解析できますが、骨の場合は最低でも約1週間は必要ということです。

(4月28日『news zero』より)

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