デルタ株流行時、子供のICU入院が増加
新型コロナウイルスの子どもの患者を調べたところ、去年、デルタ株が流行した時期は、それ以前に比べ、集中治療室に入院した子どものコロナ患者が多かったことがわかりました。オミクロン株の大流行で子どものコロナ患者も増えていますが、子どもの患者が増えると集中治療が必要な子どもも増えるとみられます。
国立成育医療研究センターは、新型コロナウイルスのデルタ株が流行する前の2020年10月から去年5月までと、デルタ株流行期の去年8月から10月までに入院した18歳未満の患者あわせて1299人を調べました。
調査の結果、ICU(集中治療室)に入院した子どもの患者は、デルタ株の流行前は、子ども患者の0.1%でしたが、デルタ株の流行時は1.4%でした。
また、デルタ株の流行前は、無症状の患者が25.8%でしたが、流行期は10.3%で、何らかの症状がある患者の割合が増えたということです。
年齢を調べると、デルタ株以前は中央値が10歳だったのに対し、デルタ株流行中は7歳と、より年齢が低い患者が多かったことが分かりました。
基礎疾患のある患者の割合は、流行前は7.4%、デルタ株流行時は12.6%でした。
また、ICUに入院した患者の半数は、ぜん息か肥満といった基礎疾患があったということです。
一方、人工呼吸器などが必要となった患者でも、この両方の期間を通じて、亡くなった子どもはいませんでした。
これら結果をうけて、調査にあたった医師らは、子どもの新型コロナの患者が増えると、集中治療が必要な子どものコロナ患者が増えることが予想されるとして、「オミクロン株が、爆発的に流行している現在においても、子どもの患者について注意深く診ていくことが求められます」と話しています。