糸魚川火災「涙が出そう」火の海にぼう然
22日午後8時すぎ、現場はまだ激しい炎に包まれていた。22日夜、「NEWS ZERO」もその現場へ。雨が打ちつける現場。発生から10時間ほどたっても、なお火は収まっていなかった。
小正キャスター「この先も、現在も火の手が上がっているのでしょうか。白い煙がこちらに押し寄せてきます。車も焼けてしまって黒く焦げています。今も火が…火が…」
この大規模火災は、22日午前10時半頃、住民からの通報で判明した。一体、どれだけ燃え続けるのか。午後7時頃の現場を上空から見ると、暗闇の中、オレンジ色の炎が街に広がっていた。
終わりが見えない消火活動。現場から避難してきた男性は、「全焼だって、どうしようもない」と話した。明治時代から続く老舗料理店の店主だという男性は、火災現場を見て、途方に暮れた-。
別の男性は、発生当時のことをこう話した。
「消防車が来ても消火栓が少ないから手間取って、消火活動が思うようにいかなかった。1か所を鎮火したと思ったら、それが飛び火してこっちの方で火の手が上がる。そしたら消防車を動かさないといけない。こんな火災初めてですよね」
大規模火災が起きたのは、新潟県糸魚川市。北陸新幹線が走るJR糸魚川駅前の商店や住宅が密集する地域だ。火元とみられているのは、駅前の中華料理店。そこから火は海の方角に300メートルほどにわたって燃え広がり、約140棟の建物を焼いたとみられる。
至るところで火の手が上がり、消火活動は困難を極めた。何本ものホースを使い消火活動が行われたが、一向に炎は収まらない。煙が充満する街で、住民たちはただ立ち尽くすしかなかった。
現場近くの住民「涙が出そう…。本当に涙が出そう」
この火事で1人が煙を吸って病院に搬送されたほか、1人が逃げる際に転倒し軽いケガした。また、消火活動にあたった消防団員3人もケガをしている。
糸魚川市は、火災では異例となる363世帯、744人に避難勧告を発令(22日午後9時現在)。県は、自衛隊に災害派遣要請をし、糸魚川市に災害救助法の適用を決めた。