加計学園の獣医学部新設をめぐる議論が続く中、日本テレビは獣医師養成課程のある全国１６の大学にアンケートをした。獣医学部の新設に５校が反対と回答し、賛成する大学はなかった。

　アンケートには１２校から回答があった。獣医学部の新設への賛否を尋ねたところ、５校が「反対」と答え、７校が「どちらでもない」、または「無回答」とし、「賛成」と回答した大学はなかった。

　「反対」の理由については「現在、学生数に対して教員の数の不足が大きな問題となっており、新設した場合、高度な専門教育を行う人材を新たに求めることは非常に困難だ」。加計学園の計画については「一学年の学生１６０名に対して教員の数が７０人から８０人では十分な教育ができるか疑わしい」という回答があった。

　また、国家戦略特区の選定にあたり「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」との文言が入ったことについて、４校が「加計学園ありきだと思った」と回答した。

　さらに安倍首相が獣医学部の新設について「速やかに全国展開を目指したい」などと発言したことについては、「コンビニ出店を目指す社長のような発言」「獣医学教育や獣医師の役割を全く理解していない発言」などと厳しい意見が寄せられた。

　一方、菅官房長官は次のように反論した。

　菅官房長官「既得権益に守られて５２年間も新設が認められなかった獣医学部の大学に聞かれたら、新規参入を認めるべきではないという回答が出るのは、これは明らかなことじゃないでしょうか。選定プロセス、すべて法令に基づいて適切に行われ、そして公平性を十分確保されている、こういうふうに思います」