道具にこだわり平昌パラに挑むアスリート

平昌で連日、熱戦を繰り広げるパラアイスホッケー。これはスケートの刃を付けたソリに乗って行うホッケーだ。
その日本代表の一人、上原大祐さんは8年前のバンクーバー・パラリンピックの銀メダリスト。実は一度引退したが、4年ぶりに復帰したのだ。そこにはある思いがあった。
上原さん「障害がある子どもたちに、もっともっとスポーツをしてもらえる環境を作っていきたい」
上原さんは、子供たちにパラアイスホッケーを教える活動も行っている。この競技は2本のスティックが特徴で、片方はパックを打つブレード、もう片方はギザギザがついている。パックを打った後、ひっくり返し、ブレード部分を持ってソリを漕(こ)ぐ。つまりスティックが手足となるのだ。ところが…
上原さん「握るところが非常に広く、スティックを落としてしまう」
海外で作られているため、小柄な日本人や子供に合うスティックがないのだ。そこで上原さんは国産スティックを開発することを決意。その情熱に大田区にある“The MOT Company”という会社が賛同してくれた。
The MOT Company・済藤友明代表「困っている人がいるのに作らないのはカーボンの成形会社として、逃げちゃいけないよねということがあった」
それは試作、改良を繰り返す気の遠くなる作業だった。プロジェクト開始から1年半余り、パラリンピックまで2週間を切ったこの日、完成したスティックが届いた。早速、その使い心地を確かめる。
上原さん「強度はもう少し改良していく部分は必要ですが、握りやすさと軽さは、私の目標に達しているのですごく良い」
このスティックで上原さんは今、平昌の舞台に立っている。
【the SOCIAL viewより】