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【いまだ逃走中】「毎日『八田逮捕』の知らせを待っていました」遺族の願いも虚しく…八田與一容疑者の『重要指名手配』継続・『捜査特別報奨金』期限延長が決定 「凶器を車に変えただけで、これは完全な殺人だ」あの日、一体何が―

2024年10月26日 10:00
【いまだ逃走中】「毎日『八田逮捕』の知らせを待っていました」遺族の願いも虚しく…八田與一容疑者の『重要指名手配』継続・『捜査特別報奨金』期限延長が決定 「凶器を車に変えただけで、これは完全な殺人だ」あの日、一体何が―
重要指名手配・八田與一容疑者

 2022年6月29日に発生した『別府ひき逃げ事件』で、ひき逃げとしては初となる重要指名手配に指定された八田與一容疑者。2024年9月、警察庁は重要指名手配の継続・捜査特別報奨金の期限延長を決定しました。事件が起きたあの日、一体何が―。

■垣間見える“順法意識の低さ”…重要指名手配・八田與一容疑者の人物像

(八田與一容疑者/SNSの投稿)
「将来を見据えて、安定した生活を送るという意味で、万引きとかをしたりして、食べていけば…あとは置き引きとか、バレないように頂くという。はい、頑張りますよ(笑)」

 犯罪行為を嬉々としてカメラに話す、この男―。

(八田容疑者/SNSの投稿)
「人生のプラン?なんですけど…ないですね~、うん。そんなもの、ありませんね」

 2022年6月、大分・別府市で発生したひき逃げ事件で、『重要指名手配』に指定されている八田與一容疑者(28)です。

■被害者を助けず、はだしで逃走し海の方向へ…Tシャツが見つかるも、手がかり掴めず

 事件が起きたのは、2022年6月29日。大分・別府市内の交差点で、赤信号で止まっていた2台のバイクに、軽乗用車が衝突。バイクに乗っていた男子大学生1人が死亡・1人がケガをしました。車を運転していた八田容疑者は、被害者を助けず、逃走したとみられています。

 その姿を、複数の防犯カメラが捉えていました。八田容疑者は辺りを見渡しながら、駆け足で逃走。夜でも明るく人通りのあるJR別府駅のそばを歩く様子が映っていましたが、足元をよく見ると靴を履いておらず、はだしの状態でした。

 そして、多くの車が行き交う国道を横切り、海の方向へ…。

 逃走から2日後、その先のヨットハーバーで、八田容疑者が着ていたとみられるTシャツが脱ぎ捨てられているのを警察が発見。付近を捜索しましたが、手がかりは見つかりませんでした。

■ひき逃げ事件初の『重要指名手配』指定も、遺族側は『殺人罪』への切り替え求める

 事件発生から1年以上経った、2023年9月。警察庁は八田容疑者を、ひき逃げ事件としては初となる『重要指名手配』に指定。懸賞金は最大800万円で、全国から情報提供を呼びかけました。

 また、遺族や友人たちも、早期解決を願う『別府願う会』を設立。街頭やSNSを通じ、懸命に情報提供を呼びかけています。

 さらに、事件発生から2年が経った2024年6月には、遺族側が警察に要望書を提出。八田容疑者の捜査容疑を、ひき逃げから『時効のない殺人罪』へ切り替えることを求めました。

(亡くなった大学生の父親/2022年)
「これは殺人であって、ただのひき逃げじゃない。『凶器を車に変えただけで、これは完全な殺人だ』と、ずっと主張してきました」

■事件前、容疑者と些細なトラブルに…ケガをした男子大学生の重要証言 八田容疑者は意図的に追突か

 事件は、ひき逃げではなく、殺人―。悲痛な訴えの背景には、事件があったあの日、もう片方のバイクに乗っていた男子大学生の『重要な証言』がありました。

(被害に遭った大学生)
「八田がスピーカーで、すごく大きな音を流していて、それをちょっと不審に思った(亡くなった)彼が、八田を少し見た。それにカッとなったかわからないが、(八田容疑者が)言いがかりをつけてきて…」

 トラブルが起きたのは、ひき逃げ現場から約370m離れた商業施設の駐輪場。大学生はその場で八田容疑者に謝罪し、友人と一緒にバイクで去りました。

 しかし―。

(被害に遭った大学生)
「僕がすごく覚えているのは、アクセルをすごく踏む音がして、バイクのミラーで『これ、何かおかしいな』と思ってパッと見たら、もうヘッドライトがすぐ近くまで来ていて、ヤバいと思って、一緒にいた彼に伝えなければと思って、パッと彼のほうを見たら、もうその瞬間には突っ込まれて…。最後に目が合って、それが最期でした」

 捜査関係者によると、八田容疑者は速度制限40km/hの道路を時速100km/h近くで走行。ブレーキ痕がないことから、意図的に追突した可能性があるといいます。

 道路交通法のひき逃げのままだと、時効は7年。殺人罪が適用されると、時効が撤廃されます。しかし、現在も殺人罪への切り替えは行われておらず、遺族側からの要望が続いています。

■「重要指名手配になれば、すぐに捕まるはず」遺族の願い虚しく…情報提供は、0977-21-2131(大分・別府警察署)まで

 そんな中、大分県警は2024年8月に、公式YouTubeなどで新たな手配動画を公開。これまでに警察が公開した八田容疑者に関する映像や似顔絵を使い、ナレーションで八田容疑者の特徴を伝え、情報提供を呼びかけています。

 また、『重要指名手配』から1年が経った2024年9月現在でも逮捕に至っていないことから、警察庁は『重要指名手配』の継続と『捜査特別報奨金』の期限延長を決定しました。『捜査特別報奨金』とは、犯人の検挙などに結び付く情報提供者に対して支払われるものです。

 大分県警の発表によると、2024年9月末までに寄せられた八田容疑者に関する情報は、7397件。このうち、「似た男を見た」などの目撃情報は6923件で、事件のあった大分県や九州だけでなく、関東や近畿など全国各地から情報が届いているといいます。

 2024年9月、遺族が悲痛な胸の内を明かしました。

(亡くなった大学生の母親)
「重要指名手配になれば、全国の交番や駅などにポスターが貼られ、すぐに捕まるはず。そう期待しながら、毎日『八田逮捕』の知らせを待っていました。しかし、その願いも虚しく、また一つの区切りを終えてしまったことが、残念でなりません。どうか、一日でも早い逮捕をお願いします」

 情報提供は、0977-21-2131(大分・別府警察署)まで。どんなに些細な情報でも構いません。

(『情報ライブ ミヤネ屋』2024年10月3日放送)

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