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【特集】事故多発交差点ランキング1位『大阪・長居交差点』3つの危険を専門家が現地で解説!日没が早まるこれからの時期、交通事故を減らすためにできる心がけとは?

2024年10月12日 8:00
【特集】事故多発交差点ランキング1位『大阪・長居交差点』3つの危険を専門家が現地で解説!日没が早まるこれからの時期、交通事故を減らすためにできる心がけとは?
交通事故が多発する大阪市住吉区・長居交差点

 大阪市住吉区の長居交差点は、2023年の事故多発交差点ランキングで不名誉な1位に…。長居交差点に潜む3つの危険と、大阪の交差点で事故が多いワケを、交通事故鑑定人・中島博史さんが解説します。また、夜間の運転時に警察が推奨する『ハイビーム』で、見え方はどう変わるのか?独自検証しました。

■「頭の中が一瞬パニックに…」“全国で一番危険”な長居交差点

 大阪市住吉区の長居交差点は、一見、見通しの良さそうな場所ですが―。

(通行人)
「この交差点、めっちゃ危ないと思いますけどね。バスが結構多いんで」
「車でも通りますけど、怖いです。頭の中が一瞬パニックになるんです、どうやって行こう…みたいな」

 実は、この長居交差点は、2023年1年間で19件の事故が起きています。2024年9月に発表された事故の発生件数ランキングでは、不名誉なワースト1位に。いわば、“全国で一番危険な交差点”です。

■『タクシー乗り場』『横断歩道』『バス停』左折時の短時間に発生する3つの危険

 この交差点に潜む危険とは―。取材班は、交通事故鑑定人と共に、現地を訪れました。

Q.事故が多いというこの交差点には、どのような特徴がありますか?
(交通事故鑑定人・中島博史さん)
「特に、この角の部分の左折で、事故が起きやすい構造があると思います」

 あびこ筋と長居公園通が交わる、大きな交差点。赤く表示された部分に『3つの危険なポイント』があると、専門家は指摘します。

 実際に車で通ってみると…。

(交通事故鑑定人・中島さん)
「まず、ここにタクシー乗り場があります。左折レーンのところで、『追い越していいのか』『タクシーが発進するのか』と、まず注意をひかれます」

 1つ目は、左折レーンに設置されたタクシー乗り場。左折しようとする車が客待ちをしているタクシーをよけて、右の車線にはみ出してしまう危険な状態に。

 2つ目は、タクシーをよけて進んだ先に、すぐに現れる横断歩道。タクシーに気を取られて、歩行者や自転車と衝突する危険が。

 そして、3つ目が―。

(交通事故鑑定人・中島さん)
「左折後すぐに、バス停があります。比較的車間距離が狭いまま曲がっている方が多いので、バスがいたから急ブレーキをかけた時に、追突する事故が起き得ると思います」

 ドライバーからすると、一つの角を曲がる間に『タクシー乗り場』『横断歩道』『バス停』が連続で現れてきます。

(交通事故鑑定人・中島さん)
「『短時間で多くの判断をしなくてはいけない』というのが、ここで事故が多くなる理由だと思います」

 実際、この交差点で2023年に起きた19件の事故の多くが、『前の車への追突』や『左折する車と自転車の衝突』でした。

■梅新東交差点の複雑ルール『常時左折可』 交差点で事故多発する大阪の“道路事情”とは

 一方、大阪駅の南東に位置し、国道1号線が通る梅新東交差点は、事故多発交差点ランキング “常連”の交差点です。

 その理由の一つが、『常時左折可』という複雑な交通ルールです。信号が青の場合は、通常の交差点と同じく、直進も左折もできます。

 しかし、赤信号になると、直進はできませんが、渋滞回避のために『左折は常時可能』。そのため、右から直進してくる車と合流時に衝突しやすい構造となっています。

Q.なぜ、大阪には“危険”な交差点が多いのでしょうか?
(交通事故鑑定人・中島さん)
「大阪は、道路の整備が非常に良くて、広い道路がよく整備されています。ついスピードが出がちというような道路の構造も、(交差点の)事故の要因につながっているかもしれません」

 大阪府警などは、2024年10月下旬にも『常時左折可』のルールを廃止するなど、対策を進めています。

■『ハイビームの活用』『白や反射材の活用』交通事故を減らすため、一人一人が心がけを

 交通事故による死者が、2年連続全国で最も多い大阪府。特に、日没が早まるこれからの時期は、注意が必要です。

 警察がドライバーに推奨するのは、ハイビームの活用です。警察の協力のもと、車から100m先に人を配置し、見え方を検証しました。

(『読売テレビ』属ちひろ記者)
「ロービームだと、反射材をつけていない人は、ほとんど見えません」

(属記者)
「しかし、ハイビームに切り替えれば、歩行者の姿にしっかりと気づくことができます」

 ハイビームを使うことで、余裕を持ってブレーキをかけられます。

(大阪府警交通部・大北良弘調査官)
「対向車の運転を妨げないようなときは、ハイビームを活用していただいて、歩行者や自転車に早く気づいていただければと思っています」

 ドライバーから見ると、暗い色の服は気付きにくいため、白や反射材をうまく使うことも効果的です。

 交通事故を減らすため、一人一人の心がけが求められます―。

(「かんさい情報ネットten.」2024年9月25日放送)

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