【特集】憧れの『白バイ隊員』を目指す、Snow Manと阪神タイガースが好きな若き女性警察官に密着!自分以外は全員男性、訓練生さえ狭き門…様々な苦難を乗り越え、父親想いの娘が挑む8年越しの夢
2年連続、交通事故の死亡者が全国で最も多い大阪で、事故を減らすために『白バイ隊員』を目指す若き女性警察官がいます。厳しい試験を乗り越え、長年憧れた夢は叶ったのか― 密着しました。
■「小さい頃からずっと『カッコイイな』と」憧れの白バイ隊員を目指す女性警察官
(近藤彩巡査長)
「大阪府警に入ったら白バイに乗りたい、というのが一番にありました」
近藤彩巡査長、26歳。“交通取り締まりの花形”ともいわれる『白バイ隊員』を目指す、訓練生です。
2024年5月下旬。大阪府警の訓練場では、交通機動隊の新人らが、デビューに向けて訓練に励んでいました。女性隊員は、一人だけ。
(近藤巡査長)
「白バイが走っているのは小さい頃からよく見ていたので、ずっと『カッコイイな』というのはありました」
(近藤巡査長)
「父が当時バスの運転手をしていて、交通事故や違反が多いみたいな話を家でずっとしていて。『白バイに乗って取り締まりしてほしいわ』みたいな、本当に何気ない一言でした」
■約300kgの白バイで障害物を避け基準タイム内に…最終検定に向け訓練の日々
白バイ隊員になるために突破しなければいけない最終検定が、翌週に控えていました。新人たちが走るのは、三角コーンで指定された様々な形の曲線のコース。バランスやブレーキの使い方など、高い技術が求められます。
(交通機動隊・訓練指導員 築山義秀警部補)
「近藤!(1分)51秒3」
(近藤巡査長)
「はい!」
検定に合格するには、基準のタイムが定められていますが、記録はまだ安定しません。
指導官に助言を仰ぎますが…。
(指導官)
「毎回毎回、同じように練習したら、はまってきて、できるようになる。できないからって我流に戻したら、ずっとできない」
また、白バイの重さは約300kg。男性でもバランスを崩しやすく、転倒したら、起こすのは大変です。
さらに、ポールや三角コーンと接触することは、交通事故を意味します。白バイ隊員が事故を起こすことは許されず、接触は減点対象に。
(近藤巡査長)
「時間を縮めていった上で、より障害物に当てないようにしていかないと、なかなか合格は難しいのかなと…」
■「Snow Manと阪神タイガースが好き」休日は推し活に励む“今どき女子”
Q.週末は、どう過ごしていましたか?
「『Snow Man』が好きなので、録画やYouTubeをめっちゃ観ています(笑)」
警察官という立場を離れれば、人気アイドルグループが大好きな今どきの若い女性。阪神ファンで、休日の息抜きは野球観戦です。
他の訓練生からの印象は―。
Q.近藤さんは、どんな人ですか?
(他の訓練生)
「オフもピリついているというか(笑)」
(近藤巡査長)
「ほんまに?絶対ウソや(笑)」
(他の訓練生)
「指示も、僕らが言わないようなことも『こうしたほうが良いんじゃないですか?』と積極的に言ってくれるので、助かっています」
■「やっと、ここまで来た」訓練生になるまで8年…運命の最終検定へ、いざ―
倍率の高い試験や検定を潜り抜けて、初めて白バイ隊員の訓練生に選ばれます。
(近藤巡査長)
「8年ぐらいは、ずっと試験を受けて落ちて、また受けて落ちて…みたいなのを繰り返して、『やっと、ここまで来た』という感じです」
運命の最終検定、当日―。
(近藤巡査長)
「昨日は寝られなかったです。寝て起きて寝て起きて…みたいな感じで(笑)」
共に頑張ってきた訓練生らと、円陣を組みます。
(近藤巡査長)
「気合入れて、いくぞー!」
(訓練生ら)
「おー!」
ミスがなければ、合格の最低ラインは『1分55秒』。
(近藤巡査長)
「お願いします!」
初めは、順調な滑り出し―。
しかし、カーブでわずかにコーンと接触。減点され、合格に必要なタイムは1分52秒に。
その後はミスなく駆け抜けましたが、時間内に走り切ることはできたのでしょうか―。
(近藤巡査長)
「スピードにあまり乗れていなかった感じがするので、練習より少しタイムは遅いかなというのが実感。それが、合格の基準のタイムに収まっていたら良いんですけど…」
80点以上で合格。果たして、結果は―。
■結果は…「83点、合格!」 仲間全員で掴んだ憧れの『白バイ隊員』への切符
(交通機動隊・訓練指導員 築山警部補)
「3番・近藤隊員、1分50秒713。減点行為、パイロン1。点数、83点…合格」
(近藤巡査長)
「はい!」
減点はあったものの、最終検定に何とか合格。長年の夢が叶いました。
(築山警部補)
「合格したからといって、浮かれていたらあかんで。まだまだ半人前。立派な白バイ隊員になれるように、訓練に励んでください」
(築山警部補)
「全員合格!!!」
(訓練生ら)
「はい!!!!!」
■“相棒”に跨り、ついに『白バイ隊員』デビュー 悲惨な交通事故がなくなるように…
待ちに待った、“相棒”となる白バイ貸与の日―。
(近藤隊員)
「ドキドキで、緊張で、いっぱいです(笑)」
悲惨な交通事故がなくなるよう、近藤隊員は、地域で目を光らせます。
(近藤隊員)
「『違反や事故は怖いものだ』と発信できるような白バイ隊員になっていきたいと思います」
(「かんさい情報ネットten.」2024年7月16日放送)