“ほめちぎる教習所”鬼教官が変わったワケ
車の免許を取るときに通うのが教習所だが、決して叱らない「ほめちぎる教習所」が三重県にある。現地を訪ねた。
教官「このバックの確認いいな!反射神経も結構あるな!あぁ、素晴らしい」
入校してまだ5日目の生徒。この日はS字カーブに挑戦する。
教官「おぉ、おぉ、おぉ、ギリギリ、あらっ」
ハンドルの切り返しが難しい場所で脱輪してしまった。
教官「どのタイヤ落ちた?」
生徒「左の…」
教官「正解!左の後ろが落ちたって分かってるということは、ちゃんと感覚つかんどる。あとスピードよかった。いいスピードやった」
教官は叱るどころか生徒をほめちぎる。「ほめちぎる教習所」と自称する三重県の“南部自動車学校”、去年の卒業生は県内最多で高い人気を誇っている。実は少子化や車の需要減少などを理由に、1993年をピークに生徒数は減り続けていた。
教官「前までは何でこれできへんのやとか、鬼教官ですね」
以前は免許取得という結果が求められる環境で叱る場面も多く、泣きだしたり教習に来なくなってしまう生徒もいたという。そこで、ほめて伸ばす指導方針へと大転換したのだ。
生徒「できた時はすごくほめてくれて、できなかった時も怒るんじゃなくてアドバイスをくれて次に生かせるよう頑張れる」
口コミで評判は県外へも広がり、生徒数はV字回復した。さらに、ほめ始めてから生徒の運転技術も向上。卒業検定の合格率は上がり、卒業後の事故率も減少したという。教官はこう振り返る。
「今まで何でこんなに怒ってばかりおったんやろう」
【the SOCIAL viewより】