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職員が難色示すも文書改ざん なぜ起きた?

2018年3月23日 21:02
職員が難色示すも文書改ざん なぜ起きた?

森友学園の国有地売却をめぐる文書改ざん問題で、近畿財務局の職員が当初改ざんに難色を示したものの「これは本省からの指示だ」と上司に説得されて改ざんを行ったと話していることが新たにわかった。

現場の職員が難色を示したにもかかわらず、なぜ改ざんを止められなかったのか、その経緯が明らかになった。

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【財務局とは】
まず最初に財務省と財務局の関係を説明すると、財務局は財務省の出先機関で、北海道、東北、関東、近畿など全国に9か所ある。

いわば東京にある財務省と地方をつなぐパイプ役で、この財務局には財務省から出向してくるキャリア組もいるが、それは一握りで、ほとんどが地元で採用された国家公務員。

実際どんな仕事をしているのかというと、適正な予算を組むための調査や、地域の経済がどうなのかといった調査をしているほか、国有地の管理や売却などを行っている。

財務局は地元のニーズを把握しており、こうした業務は基本的に財務局だけで完結させている。

しかし今回の国有地売却については“特例案件”とされ、財務省から決裁をもらわないといけなかった。

この特例案件というのは珍しいものではないが、今回は、通常より長い貸付期間だったため、“特例案件”として財務省の決裁が必要だった。財務省の了解をとって進めないといけなかったのだ。

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【文書改ざんの経緯】
まず財務省から近畿財務局へ文書改ざんの「具体的な指示」があったという。そもそも今回の決裁文書は元の文書から300か所近くという膨大な量が改ざんされていた。これには財務省の理財局が“てにをは”レベルまで文言を決めていたという。

財務省から改ざんの指示を受けて近畿財務局は「違法行為になる可能性がある」などと難色を示したという。地元の財務局の職員からすると、ここまで指示されることに反発もあったのかもしれない。

そこで財務省は近畿財務局の幹部に相談し、この幹部は部下に、「これは本省からの指示だ」と言って説得して改ざんさせたという。

つまり、近畿財務局の中にも本省の意向に沿って改ざんを指示した幹部がいたということになる。不幸にもこの改ざんが行われた近畿財務局のこの部署から自殺者が出てしまった。

現場が難色を示していたところにまた指示があったという。それを踏まえた上で、あらためて疑問なのは、なぜ財務省が改ざんが必要だと考えたのか。

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【“昭恵氏”の記述削除】
今回の案件は、近畿財務局では昭恵夫人や政治家の名前をとって“昭恵案件”などと呼ばれていた。ただ、こうした呼び名は業務の中では日常的に他の案件にもつけられるので、珍しいことではないそうだ。

ところが文書からは、「案件の名前」になっているにもかかわらず、なぜあえて昭恵夫人の名前や記述を削除しなければならなかったのか。

こうした改ざんを財務省理財局がなぜしようと考えたのか。首相官邸とのすりあわせはあったのか。国会では27日に佐川氏の証人喚問が行われるが、こうした疑問が解消されるかが焦点。