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社会
2018年4月24日 14:59

ないはずなのに痛い幻肢痛 VR技術で緩和

ないはずなのに痛い幻肢痛 VR技術で緩和
(c)NNN

ないはずの手足が痛みを感じる「幻肢痛(げんしつう)」。その緩和に取り組んでいる猪俣一則氏は、17歳の時に事故で右腕がちぎれる大ケガを経験。その後、手術によって腕はつながったが、感覚がないはずの腕が痛む幻肢痛に悩まされた。

現在は、VR(バーチャルリアリティー)技術を使い、その痛みを和らげる機器の研究・開発に取り組んでいる。


――幻肢痛は「すでに切断された手足がまだあるように思い、痛みを感じる状態」とのことですが、どんな痛みなのでしょうか?

難しいですよね。人間の体そのものは痛みを感じないんです。脳とつながっている神経が、(体の)すべての部位に張りめぐらされていますが、この神経が痛みを感じている。

腕を切断したり、僕のように神経を引き抜いてしまったり、もう機能しなくなってしまった場合でも、脳が「手がある」という感覚を覚えています。その感覚があるので、目をつぶったときに五体満足のままなんですね。このように、腕がないのに手があると感じることを幻肢といいます。

この幻肢が猛烈に痛みます。これを幻肢痛と言うんですね。この痛みがどこから来ているのかというと、脳からどんどん「手を動かせ」という指令を送っているにもかかわらず、神経が働いていないので(反応が)戻ってこないというもどかしさから、脳が混乱して痛みに変わって発現しているんです。


――VRの技術を使って、どのようにその痛みを和らげるのでしょうか。

VR空間の中で、両手があるように再現してあげます。その両手を見て視覚情報として認識することで、その手が自分の意思で動かせるんです。

その視覚情報をどんどん脳に入れることによって、事故の状況や手術の後の痛みで脳に植え付けられてしまったトラウマを徐々に上書きして、痛みを緩和させていくという手法になっています。


――脳の誤解をリセットするということなんですね。


【the SOCIAL guestより】