海自上陸作戦の要“LCAC” 訓練に密着
尖閣諸島など離島防衛が注目される中、離島の奪還作戦で活躍するのが海上自衛隊の“LCAC(エルキャック)”という乗り物だ。隊員の訓練に密着した。
海上自衛隊の上陸作戦の要――通称“LCAC”。平らな場所であればそのまま上陸し、輸送した戦車などをすぐさま発進させることができる。日本に6艇しかない大型ホバークラフトだ。
海上自衛隊でも数少ないLCACの船長・クラフトマスターを目指すため、厳しい訓練が行われていた。
初めて実際のLCACに乗る日。まずは、輸送艦の中から教官がLCACを出し、荒れた海で浮上を始める。洋上で教官と交代し、訓練が開始された。LCACは特殊な形をしているため、揺れも独特だ。キャビンと呼ばれる操縦室では、その揺れに「うおっ」という声があがる。
砂浜に上陸する“ビーチング”の訓練では、陸に上がりクッションから空気を抜く際、指定の場所から大きく横にずれてしまった。教官は「左に落とされるのは速力が速い」と指摘する。
3か月後、いよいよ最後の訓練に臨む。操縦がうまくできず、何度やってもずれてしまったビーチング。スピードをコントロールし、その場所で止まることができた。
訓練の総仕上げは、輸送艦への収容だ。水しぶきで視界は遮られ、輸送艦の壁との幅はギリギリだったが、無事にLCACを輸送艦に収めることができた。これで全ての訓練が終わった。
検定を合格した隊員たちは、輸送艦に搭載されたLCACに配属。日々、訓練を続けていく。
【the SOCIAL viewより】