「各車両に乗務員を」新幹線の安全対策
東洋経済オンライン編集長・山田俊浩氏(47)。山田氏は記者としてIT業界を長年、取材した後、2014年、東洋経済オンラインの編集長に就任。主に経済に関するニュースを、タイムリーに、独自の視点を加えて配信している。
――最近、気になるニュースは何でしょう。
9日夜に起きた新幹線「のぞみ」での殺傷事件がとても気になっています。2015年にもガソリンをかぶって自殺のようなことをして、1人亡くなった事件がありました。新幹線というのは極めて安全な乗り物ということで定評があるわけですが、実は入り口のところ――改札ではチェックをしてませんので、かなりリスクはあると以前から言われていました。
これを実際のところ、入り口のところで、全部持ち物検査したら大変だよねということで、非常にある意味だと警備が甘いわけです。その甘さをどうやって補っていくかということが、これからJR東海・西日本などで問われるわけですが、どうしても全件をチェックするとなると、すぐに駆け込み乗車ができない――30分~40分前に来ないと乗れませんよということで、利便性との相殺が起こるわけですね。
ですがこういうことが頻発しているようですと、2020年のオリンピックに向けて、“おもてなし”ということでもあるんですけど、日本が安全な国ということを維持できなくなる可能性があるので、どういう落としどころでやるかというのが重要だと思うんです。
私が思うに、機械的なものでやるよりかは、各車両に1人乗務員を置くとか、コスト増にはなるかもしれないけれど、JR各社が、警備員を雇うなどして自主的に安全性を高めるための政策をうってほしいなと思うんですね。
これは警察や機械的なものに頼るとなると、ものすごく時間もかかりますし、実際すり抜ようと思えばすり抜けちゃうということもあると思うので、人間の目というのが一番の抑止力になると思うので、なんらかのそういった政策をこの事件を機にうってほしいなと思いますね。
――今回もナタを持って入ったということで、助けようとした男性が亡くなってしまいました。何か技術的、そして人間の力でなんとかしないといけないですよね。
そうですね。まず金属探知ということはまずできるでしょう。それと、実際にたくさん乗っている人のうち、こういう夜になりますと、定期券で乗ってたり、通勤とかで乗ってる人というのは何度も乗っているので、そういった複数回乗っている人というのは、例えば安全だと見ることもできるかもしれません。
そうではなくて、急に乗った人、あるいは顔認知ということをしたときに、今まで見たこともない人が乗ったという時に、例えば、あるアラートを立てるとか、ITの力を使うことによっても、法律的なチェックということができると思うので、そういった研究、実際に鉄道総研とかJR各社がやっているので、ぜひ実用化を急いで、安全性を高めることをやってほしいなと思います。
――世界に誇れる新幹線というのを保つためにもがんばってほしいですね。
そうですね。
【the SOCIAL guestより】