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男性も女性も“自由に”仕事と育児を

2018年8月22日 13:48
男性も女性も“自由に”仕事と育児を

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「出産退職の経済損出1.2兆円」。女子学生の可能性を広げる活動を行っているハナラボ・角めぐみ代表理事に話を聞く。

第一生命経済研究所は、2017年に出産に伴って退職をする人は20万人に上るという推計をまとめた。

さらに、出産での退職によって女性の所得分である約6360億円が失われ、女性が働き続けた時に比べた企業の損失などを合わせると、名目GDPベースで1兆1741億円に上ると試算している。ネット上ではこんな声があがっていた。

「育児後の再雇用は義務化すべき」
「もったいない。男女の社会差があるからだ」
「出産・育児はキツイ。仕事辞めなきゃできない」

――この話題について、角さんにご意見をうかがいます。フリップをお願いします。

「男性も自由に!」。いま、半数近くの女性が出産を機に退職してしまっているというお話がありましたが、実際に仕事を継続したいというワーキングマザーは、実は7割いるといいます。

男性も女性も、時間や場所に縛られた働き方をしていては、やはり女性に負担がかかってしまう状況は変わらないと思うんです。なので、男性も含めてまず自由に働ける環境を作ることが必要と思います。


――まずはなにより、環境整備が必要ということですね。

そうしないと、男女ともに育児をしていくことができないので、結果的に女性が辞めてしまう。でも、一緒に育児ができれば辞める理由がなくなりますよね。


――角さんは若い女性を中心に色々と活動をされていますが、最近、少し考え方も変わってきていますか?

そうですね。早く結婚して、早く出産して、一緒に子育てをしていこうというところで、卒業生に話を聞くと、「僕はいずれ留学したいから、あとはよろしくね」と言われている人もいるくらいなんです。

つまり、女性が働き続けることによって、男性は自由に自分の職業を選んでいけるという意味で、ダブルミーニングで「男性も自由に!」と書かせていただきました。


――世の中でも受け入れ態勢が少しずつ整ってきているけれども、女性側も考えが変わってきていて、男性の思考もどんどん進化しているところもあるのでしょうか。

ありますね。もちろん会社での環境もそうですし、男性も女性も変わっていく。結婚退職がなくなっている時代になっているので、将来的には出産で辞める女性もほとんどいなくなると思います。


――そういう時代が本当に訪れるといいですし、そのために男性も女性も自由になっていきたいですね。


■角めぐみ氏プロフィル
ハナラボ代表理事。女子学生の可能性を広げる活動を行っている。2008年に女子学生のためのウェブメディアをオープン。2011年からは、社会課題の解決のため自治体や企業などとコラボする活動をスタート。女子学生のリーダーシップなどを育み、未来の社会変革の担い手づくりも続けている。


【the SOCIAL opinionsより】