ILC誘致支持するに至らず~日本学術会議
宇宙誕生の謎に迫る大型実験施設、ILC(=国際リニアコライダー)をめぐり、日本学術会議は19日、現状では日本への誘致を支持するに至らないとする審議結果をまとめ、文部科学省に提出した。
日本学術会議の家委員長が19日に文科省提出した審議結果では、7000億円を超える建設費について、国際的な経費の分担の明確な見通しがないことを指摘した上で、「想定される科学的成果が、巨額の経費の主要部分を日本が負担することに十分見合うものであるとの認識には達しなかった」としている。
その上で、「現状で日本に誘致することを日本学術会議として支持するには至らない」と結論づけ、「日本誘致の意思表明に関する判断は、慎重になされるべき」と述べた。
国際リニアコライダーは、光に限りなく近い速さに加速させた電子などを衝突させ、宇宙誕生直後の状態を再現する巨大な実験施設で、研究者らからなるグループは、北上山地の地下に建設することを目指している。