「母から『苦しいから楽にして』と」61歳の被告“老老介護”のすえ92歳の母親殺害か
寝たきりの当時92歳の母親の首を絞め、殺害した罪に問われている男の裁判で、男は「楽にして」と頼まれたと話しました。
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前原英邦被告(61)
「母と一緒の生活、あんな形で終わらせないようにできたらと思っています」
前原英邦被告は2022年に東京・葛飾区の自宅で、寝たきりの状態だった当時92歳の母・房子さんの首をひもで絞めて殺害した罪に問われています。
弁護側は、殺害したことは争わないが、「母親から依頼があった」と主張しています。
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事件の3年ほど前に母親が脳梗塞になったことをきっかけに仕事を辞め、24時間介護をすることになったという前原被告。12日に前原被告が明かしたのは、事件があった2022年8月に“依頼された”当時のやりとりでした。
前原被告
「母から『苦しいから楽にしてちょうだい。殺してちょうだい』と。『わかったよ。俺も一緒に死のうか』と言ったら、母は小さな声で『ありがとうよ』と」
このやりとりの3日後、母親を殺害したといいます。
前原被告
「自分から殺そうなんて思わないです。あのときに戻れるなら…。事件前に戻って、もう一度やり直したいと思います」
一方、前原被告には当時借金があったことなどから「経済的困窮から無理心中を図った」と主張している検察側。お金がなかったことと、母親を殺害したことの関係を問われると…
前原被告
「関係ありません」
次回は、前原被告に対し検察側が求刑を言い渡す予定です。