あの時代を、白黒写真の遠い過去の話にしないように 「戦後80年プロジェクト」メッセンジャー・櫻井翔さん
日本テレビはNNN各局とともに、戦後80年プロジェクト『いまを、戦前にさせない』を立ち上げます。
約80年前の8月15日、あの戦争は終わりました。日本人の犠牲者は310万人にのぼります。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」広島の原爆死没者慰霊碑には、戦争という過ちを繰り返さないことへの誓いが刻まれました。それは、戦後間もない日本人の未来への「誓い」。
しかし、いま、世界では戦争が起きています。あの戦争の終結から80年。戦争をした国に生まれた私たちが、その「誓い」の意味を改めて考えます。
■「いまを、戦前にさせない」メッセンジャー 櫻井翔 コメント
「戦争っていうのはね。始めたら戻れないんですよ。だから、始めたらダメなの。やっているうちになんで戦争しているかも分からなくなる」
これまでの取材の中でも、強く印象に残る言葉です。
始まってしまった。
止めることが出来なかった。
戻れなかった。
引き返せなかった。
戦争が始まり行く様子を知る方の、後悔にも近い思いが滲み出る言葉でした。
雨の神宮外苑競技場で学徒出陣を見送ったこと。戦中、戦後のこと。
目の前に景色が広がるかのようなお話を伺ったのは3年前。そして、昨年、旅立たれました。
2009年8月、長崎での取材から始まり、およそ15年。
多くの方に戦争についてのお話を伺ってきました。
目に涙を浮かべながら伝えて下さる方。
眼球を動かしながら、まるでいまその景色を見ているかのように伝えて下さる方。
橋の手前でお話を聞いた妹さんの先には、見送ったお兄さんが見えているかのような時もありました。
思い出すのも辛いことを必死に伝えて下さった方々。全ての方に共通する強い想いがあります。
「二度とあのようなことがないように」
1945年から80年が経とうとしています。
あの時代を、白黒写真の遠い過去の話にしないように。
いまと同じような"日常"の中にいたと感じられるように。
そして、いまの自分たちは、その地続きにあるのだと感じられるように。
記憶に深く刻まれるような記録を積み重ねて参ります。
◇
広島・長崎に原爆が投下され、戦争が終わって80年となります。戦争をした国に生まれた私たちが、二度と戦争を繰り返さないという「誓い」の意味を改めて考えます。情報提供サイトで資料や証言を募集しています。