吃音症ラッパーの思い「勝手に笑ってろ」
しゃべるときに言葉が詰まってしまう吃音(きつおん)症と闘う少年は、吃音を武器にラップでステージに立っている。彼はラッパーとして、どんな思いで叫んでいるのだろうか?
達磨さん「吃(ども)った俺を笑ったコンビニの店員 この野郎、笑いたきゃ勝手に笑ってろ」
ラップを披露している少年。ステージを降りると吃音のハンデと闘っている。
達磨さん「“唐揚げ棒”にハマっていた。コンビニで」
伝えたいことがあっても言葉に詰まり、円滑な会話が難しい吃音症に悩まされている。
達磨さん「(唐揚げ棒は)最初が“カ行”。カ行(から始まる言葉)が、ぼくはしゃべりにくい。“唐揚げ棒”は、最初に“カ”が付いているのでどもりやすかった。そういう時は仕方なく違う商品を頼む。言葉が出ないので(唐揚げ棒が)頼めない」
達磨さんは幼少期から吃音を抱えていたが、中学生になると、症状が著しく悪化した。16歳で友人と遊びでラップを始めると、ラップをしている時はどもらないことに気づいた。
達磨さん「ラップを始める前が一番、吃音がひどかった時期で、そこから徐々に良くなった」
ラップは歌と会話の両方に近く、吃音の治療に使われることもあるという。達磨さんはそんな自分の経験と気持ちを歌詞に込めた。
「♪俺は普通に友達と話したいだけ
好きな食べ物を普通に注文したいだけ
神様って奴(やつ)は取り柄(とりえ)のない俺に
普通の事すらさせてくれないんだ
吃った俺を笑ったコンビニの店員
この野郎、笑いたきゃ勝手に笑ってろ
お前の馬鹿にした吃音を武器に
絶対にお前よりも幸せになってやる」
ライブには同じように吃音で悩む人もいる。
お客さん「吃音症を知らないと、ぼくはサラリーマンなのですが、仕事で吃音が出ると“やましいことがある”のではないかと誤解される場合もある。他の吃音の人も勇気づけられると思う。ありがとうございます」
達磨さん「“吃音症の人を助けたい”と思ってやっているわけではないが、結果的に(勇気づけることに)つながったのなら、誇れることだと思う」
【the SOCIAL lifeより】