インフルエンザ患者急増…薬不足も 東京で約6年ぶり「警報レベル」超え
東京都では約6年ぶりに、インフルエンザの患者数が「警報レベル」を超えました。患者数が急増する中、インフルエンザの薬も足りなくなってきたといいます。現場を取材しました。
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都内にあるラーメン店。背脂たっぷりの塩ラーメンが名物で、ランチタイムには店内は満席です。店内が“密状態”になることも多いため、かつて行っていた“対策”、30分ごとの店内の「換気」を最近復活させたといいます。
マニッシュ日暮里店 岡田佑樹店長
「扉を開けて中の空気を回す」
冬の寒い時期、かつての“新型コロナ対策”を復活させたわけは、インフルエンザです。
マニッシュ日暮里店 岡田佑樹店長
「インフルエンザがはやってきた。僕たちもお客様も危ないので換気。僕もかかっちゃうと、年末年始に向けてラストスパートかけてるので、ここで倒れちゃうわけにはいかない」
今後の感染状況によっては“コロナ禍”で使っていた「パーティション」の復活も検討しているということです。
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年末年始を前に猛威をふるうインフルエンザ。埼玉・戸田市の病院では、インフルエンザの患者が今週に入り“爆発的”に増加しています。
公平病院 公平誠院長
「(先週比)2~3倍ぐらいの患者が今週は来ている。非常に増加の伸びが大きい」
東京都によると、今月22日までの1週間のインフルエンザの患者数は1医療機関あたり40.02人に。前の週の17.36人から倍以上に急増し、警報の基準となる「30人」を超え、去年の今頃の感染者数を一気に上回りました。
都内でインフルエンザの患者数が警報基準を超えるのは2019年1月以来、ほぼ6年ぶりです。また埼玉県では51.06人、千葉県では60.03人となり「流行警報」が出されています。
公平病院 公平誠院長
「この流行状況で年末年始を迎える可能性。この先まだ罹(り)患される方がたくさん発生することが予測される。年末年始で帰省される場合、休日やっている医療機関をおさえておくことが必要」
患者のさらなる“増加”が懸念される年末年始。しかし、都内の薬局では…
有明ファミリー薬局 小林和正さん
「この段が主にせき止めになる。5種類あるうち4種類が入ってこない。インフルエンザが増えてきて、より一層足りなくなっている。薬の入荷の(年内)最終日があす(27日)、現状、薬の入荷のメドがたっていない」
もともと、せき止めなどの薬が不足していましたが、インフルエンザ患者が急増し、さらに在庫をひっ迫。さらに、インフルエンザの治療に必要な薬も…
有明ファミリー薬局 小林和正さん
「(インフルエンザの)粉薬が出荷調整中。これが足りなくなってきて、ほかの商品も入荷が遅れている」
子ども用のインフルエンザ治療薬の一部が出荷調整となっていて、タミフルなどの入荷も遅れがちに。「せき止め」などは別の在庫で対応することもありますが、インフルエンザの治療薬は“代えがきかない”ため、薬不足は深刻だといいます。
また、発熱患者を診察するクリニックでは…
東京ビジネスクリニック 田陽医師
「(インフルエンザ用の)検査キットが急激に需要が高まっており、少し足りなくなってきてます。年末と重なってということもあり、普段発注していない業者からも、がんばって集めている」
感染拡大をうけ、東京都は咳(せき)エチケットのほか、室内の適度な加湿と換気を心がけるよう呼びかけています。