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ひな祭りに被災和菓子店が金華糖 幸せと復興願う

2025年3月3日 19:29
ひな祭りに被災和菓子店が金華糖 幸せと復興願う
きょう、3月3日はひな祭りです。氷見市の和菓子店では、毎年「金華糖」というおひな様に供えるお菓子をつくっています。去年発生した能登半島地震で店は大きな被害を受けました。それでも、伝統を絶やすまいと菓子作りに励む姿を取材しました。羽柴カメラマンの映像リポートです。

女の子の健やかな成長を願うおひな様

華やかな宮廷世界に花を添えるのが金華糖

鯛やタケノコなど縁起物をかたどった砂糖菓子

かつては全国各地で作られていましたが、現在では金沢や氷見など一部の地域でのみ見られる文化に

井上菓子舗 氷見市栄町

今月20日 金華糖づくり 148年前の創業時から作り続けている金華糖

材料は砂糖と水だけ

煮詰めた砂糖水を木型に流し込む約3分後

Q木型は何種類ある?
井上菓子舗 職人・林真由美さん「100種類程あります」

「鯛、ナス、タケノコ、桃をメインに縁起の良いものをつくっている」

148年前の創業当時から使っている木型も

3日間乾燥させた後、食紅で色づけ

林さん「歯ブラシだとぼかしがきれいに出る」

店内にはひと足早く春の彩り

林さん「明るい色を使うんで春を先どりした楽しい気持ちになってきます」

去年1月 能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市

店は液状化で地盤が大きく傾き全壊と判定 周辺では公費解体が進み、多くの住民が地区を離れた

林さん「以前は魚屋さんがあったり醤油屋さんがあったが」

「今は生活感がない街になってしまった」

生活感がない街に

林さん「母の姉のおひな様になります」

86年前 伯母の初節句に贈られたもの 地震で店が傾いたため今年は実家で飾ることに

金華糖

林さん「華やかな気持ちになりますね」

「店を続けていくことが町内の方の希望になると思うので、頑張ってお菓子を作り続けていきたい」

春の訪れを告げる金華糖づくり子どもたちの幸せと復興への願いを込めて

VTRに出てきた林さんの伯母のおひな様、昭和14年(1939年)に贈られたもので、当時は第2次世界大戦が勃発し日本も日中戦争下、物不足のなか初節句を祝いたいと必死の思いで手に入れたそうです。

最終更新日:2025年3月3日 19:29
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