×

東京「ステップ2」へ 学校再開で注意点は

2020年5月29日 22:07
東京「ステップ2」へ 学校再開で注意点は

■休業要請緩和も…若い人の感染増える
東京では休業要請の緩和の動きが出ています。26日(火)にステップ1に移行して図書館や動物園など再開しています。そしてステップ2については、6月1日(月)から移行することが分かりました。

これにより、映画館・劇場・学習塾・サウナ・スーパー銭湯・スポーツジム・百貨店・ショッピングモールの生活必需品以外の売場も営業できるようになります。ただ懸念の声もあります。例えば感染者ですが、東京では5月下旬に入って一桁の日もありましたが、ステップ1に移行した26日(火)は10人、27日(水)11人、28日(木)15人、29日(金)は22人と、4日続けて2ケタとなりました。さらに28日(木)の15人のうち8人が経路不明の方々でした。

都内では最近若い人の感染が増えています。28日(木)の感染者は15人のうち11人が10代~30代と、比較的若い層でした。夜の歓楽街で働く若い人の感染も複数確認されていて、東京都は注意を呼びかけています。

■ステップ0まで戻る可能性も…
都が移行の判断の目安としている指標があります。1日あたりの新たな感染者の数が、1週間の平均で20人未満、感染経路不明者が50パーセント未満、そして1週間の新規感染者数が前の週の数を下回っていること。このほか入院患者数やPCR検査の陽性率など、こうした指標を総合的に判断して緩和を決めました。

そして、この指標を見て再び感染拡大の兆候があれば東京アラートを出すとしています。29日(金)は22人で指標の人数を超えましたが、これはあくまで1週間の平均で見ますので、このあと変わってくる数字に注目です。

忘れてならないのは、いったんステップ2に移行しても、状況によっては再び休業要請が出され、ステップ0に戻る可能性もあるということです。具体的には1日の感染者が50人、1週間の新規感染者数が前の週より倍以上に増えることなど、東京アラートよりも高いハードルが設定されています。

■久しぶりの登校再開…気をつけることは
6月1日(月)から多くの学校が再開するに当たって、どんなことに気をつけるべきか、小児精神科の奥山眞紀子医師に聞きました。

1.体調面
長期の休みがあったことにより体調のリズムが崩れ、朝起きられなかったり、夜眠れなくなったりします。学校が始まって最初は気が張って頑張れても、しばらくたってから体調を崩すこともあるそうです。朝起きないからといって頭ごなしに怒るのではなくどう工夫したらいいか一緒に考えることが大切です。

2.体力面
運動不足で体力が低下しているので、以前と同じことをしてもケガをしてしまうおそれがあります。部活などで、急に以前と同じように動くのではなく焦らず徐々に、ということを基本にしましょう。

3.心の問題
感染の不安や勉強の遅れ、友人関係の不安などで気分が落ち込む可能性あります。子どもの場合、イライラしたりすることが落ち込みのサインの場合もあり、大人が気づきにくいので表情をよく見て以前より笑顔が減っていたりする場合は要注意ということです。

休校が長引いた影響で、授業時間を少しでも確保するために夏休みや冬休みを短くしたり、運動会や学芸会を中止したりする動きも出ています。子どもたちにとっては楽しみな行事やイベントを我慢しなければならない、制約の多い新たな日常が始まります。周りの大人のサポートがより一層必要になります。