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炊き出しに…「所持金6円」32歳男性なぜ

2021年1月12日 0:24
炊き出しに…「所持金6円」32歳男性なぜ

今月9日午後6時。気温4度の、東京・池袋の公園には、行列ができていました。

行われていたのは、弁当やパンなどの配布。住む場所を失うなどして生活に困っている人に向けたものでした。行列の中には、女性の姿もありました。

この日の炊き出しには、およそ300人が訪れました。支援団体によると、新型コロナの感染拡大後、最も多かったということです。

公園では、住む場所や仕事のことなどの生活相談も行われていて、32歳の男性が相談に来ていました。

ボランティア「お住まいは?」
男性「ないです」

ボランティア「きのうはどこに?」
男性「上野」

ボランティア「仕事は?」
男性「倉庫の梱包とか。(仕事が)入るときの方が少ないですね。ほとんどない」

男性は、日雇いの仕事になかなか入れなくなり、去年12月から路上生活する日も多くなっていました。財布に入っていたこの日の所持金は、6円。配布された弁当を手に、「2日ぶりに食べられます。」と語る男性。この2日間は、水だけ飲んでしのいだといいます。

最近の生活を聞くと――

男性「仕事…に安定して入れない。ほかにも仕事失った人が多いから。コロナだからですね。こういっちゃあれなんですけど、死んでやろうと思ってたんですよね。でもなあと思って。とりあえず相談できてよかったかなと思って。ただうまくいかなかったらそういう気分になるんかなと思ってる」

厚生労働省によりますと、1月6日時点で、コロナの影響で解雇や雇い止めされるなどした人は8万121人となりました。今後さらに増えることが懸念されています。

生活困窮者を支援するNPO法人TENOHASIの清野賢司事務局長は「私たちのところは常に『おじさん』と呼ばれる世代の相談しかなかったのが、いま女性も普通、若者も普通となったのは、このコロナ禍の状況です。」とした上で、「一人じゃないんだよと、相談できる先があるんだよと。困ったら相談してほしい。」と呼びかけました。

11日。32歳の男性は、支援団体の紹介で、寮に入れる仕事の面接に訪れました。

男性「結果は明日から働ける感じになりました。寮も、今日から入れるようになって。安心、ほっとしました。またこんな状況にならんようにしていきたいと思ってます」

(1月11日放送『news zero』より)