東京パラ ボランティアの温かいおもてなし
連日、熱戦が繰り広げられている東京パラリンピック。競技会場の「東京アクアティクスセンター」で行われている、ボランティアの温かい“おもてなし”を取材しました。
競泳が行われている「東京アクアティクスセンター」。そのプールの横、選手やコーチらが利用する部屋に置かれたホワイトボードには一面、色とりどりの付箋が貼られていました。この付箋、実はボランティアから選手に向けて書かれたメッセージ。
新型コロナウイルスの影響で無観客となり、選手との交流もなかなかできないことから、ボランティアの発案で「選手を少しでも応援したい」といつしか選手への激励メッセージを飾り始めたといいます。そこには「少しずつでも諦めずに前に進む姿に感動!!」「たくさんの勇気をいただきました!!私もあきらめずにがんばろうと思います」など心温まるメッセージが。
ボランティアの女性は「選手とコミュニケーションを取る機会がなかなかないので、私たちの気持ちが伝わればいいなと思って書いています」とメッセージに込めた思いを語っていました。
またホワイトボートの下には日本語のほか、様々な国の言葉で書かれた選手からボランティアへの“お返しのメッセージ”も。「素晴らしい国、素晴らしい人々その情熱をありがとう」など、ボランティアに向けたお礼の気持ちがつづられていました。取材中、ホワイトボードの前で立ち止まり、メッセージを読んだ後、お礼のメッセージを書く海外の選手の姿も見られました。
ボランティアによる“おもてなし”は他にも。会場の外の道路脇で一列に並ぶ50人ほどのボランティア。若い人から高齢の人まで様々な年齢の方が集まり、間隔を取りつつ長い列を作っています。こちらでは競技を終え、バスで会場を後にする選手らをボランティアが毎日見送っているといいます。
ボランティアの手には「THANK YOU」などと書かれた手作りのカードが。選手らが乗ったバスが目の前を通ると、みんなで一斉に手を振り「ありがとう!」と笑顔でお見送りをしていました。
選手らも手を振ったり、笑顔で写真を撮ったりするなど、嬉しそうに応えていました。コロナ禍で直接交流できない中、工夫して行われる温かい“おもてなし”。大学生だというボランティアの男性は「お見送りすることで少しでも観客がいた感覚を感じてもらい、楽しかったという思いで帰ってもらいたいです」とお見送りをする思いを語っていました。
会場の組織委員会の担当者は「この会場ではボランティアの方が自発的に様々な提案をしてくれて本当に感謝している」と話していました。
今月5日に閉幕を迎える東京パラリンピック。最後の瞬間までボランティアの温かい“おもてなし”は続きます。